在イタリア、ソムリエワインノートとイタリア映画評論、他つれづれ appunti di degustazione

ソムリエ 20年、イタリアワインのテイスティングノートと、なぜか突然のイタリア映画評論、日本酒、日本茶、突然アートも

Vini veri, vini costruiti e vini falsi

2012-06-04 23:50:38 | もろもろ、つれづれ
本当のワイン、作ったワイン、偽物のワイン

心を込めてワインを作る人たちがいる。
自分たちで畑を耕し、最も良い状態でワインを作ろうと心がける。
評価なんてどうでもいい。
美味しいと思って飲んでくれる人がいればいい。
ワインは心の友。
ワインと共に泣いて笑って、人生を語り合う。
彼らの作るワインは、暖かくて優しい。

売るためだけのワインを作ろうとする人がいる。
大きな工場で、ガラス瓶が次から次へと移動する。
しかし、みんなが上等なワインを飲むわけではない。
高いワインを買えない人もいる。
彼らの作るワインは、語りかけてくれることはないが、品質は安定している。
テーブルの良い友とはなりえる。

見せかけのワインを作る人がいる。
心を込めて作っているように見せかけて、実は、自分の利益しか考えていない。
自分で畑を耕しているように見せかけているが、畑を歩くことはめったにない。
自分でワインを作っているように見せかけているが、ワインのことを聞いても満足に答えられない。
そんな奴らは、評価は気にしていないと言いながら、やはり気にしている。
評価されればもっと売れる。
もっと売れれば値段も上げられる。
作っている人と同じで、見せかけだけのワインである。