在イタリア、ソムリエワインノートとイタリア映画評論、他つれづれ appunti di degustazione

ソムリエ 20年、イタリアワインのテイスティングノートと、なぜか突然のイタリア映画評論、日本酒、日本茶、突然アートも

”コルトーナ・メルロー・レ・ジェメッレ 2005” クエルチャグロッサ

2008-03-31 21:49:56 | Toscana トスカーナ
"Cortona Merlot Le Gemelle 2005" Querciagrossa –Toscana
トスカーナの小さな町、コルトーナで軽い食事をする機会があった。
ワイン・バーで食事も出すところだが、品質の良い素材をシンプルに使っている。
地元のキアニーナ牛がメニューあったが、レストランではないしで、平凡なトスカーナ風ステーキを出すのではなく、何品かのうちの一品はタルタル(トントンと、包丁で切っていた)という趣向。それも、メニューにはっきりキアニーナIGTと謳っている。つまり、偽キアニーナではなく、「本物」のキアニーナ、だから、牛の年齢は2歳以下。キアニーナ牛は、かなり大型の牛なので、2歳以下でもだいぶ大きい。
そして、コルトーナから位置はちょっとずれるが、チンタ・セネーゼ(黒豚)のハム、サラミ、ラルドなども絶品だった。こちらも結構偽物が多いが、ここで出すものは間違いなく本物、という味わいだった。

せっかくのコルトーナなので、コルトーナDOCのメルローにしてみた。
(ただし、瓶詰は、モンテプルチャーノ。コルトーナからは距離的にかなり近い。)
コルトーナ周辺は、最近、シラーの栽培で有名になってきているとはいえ、ワインの産地としてはだいぶ地味な感じがする。
しかし、「トスカーナと言えばサンジョヴェーゼ」にこだわらない地域なので、面白いものに出会える楽しみがある。

色は、明るくきれいなルビー色。
香りは、小さな森の木の実がきれい。シンプルな感じ。少したって香りの変化が見られ、だんだんと、スパイスが立ってくる。そして、土、ブロード、血など。
味は、するっと入り、優しい。お昼に軽くと選んだワインなので、シンプル。タンニン、酸のバランスがとれ、程よい長さの持続性あり。
かわいらしくまとまり、つまみながらのお昼にはとても良い。