日々のblog  牛込伸幸FP事務所

群馬県高崎市のファイナンシャル・プランナーの暮らしとお金のblog

長期固定の住宅ローン「フラット35」との付き合い方

2010-03-01 | 住宅ローン
おはようございます。FP牛込伸幸です。

いよいよ花粉症の症状が出てしまいました。
お天気がいいのに窓を開けたくない、布団を干したくないという
残念な季節の始まりです。

花粉症の方、がんばりましょう。
今年は鼻に塗るタイプの薬が流行っているようです。
でも、ジョギングでは、無理だろうな。


■長期固定の住宅ローン「フラット35」

日曜日の日経新聞に記事がありました。
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従来、耐久性や省エネなど一定の条件を満たした住宅向けに、
フラット35の当初10年の金利を0.3%下げており、
これを「フラット35s」と呼んでいる。

今回の優遇措置はこのフラット35sの当初10年間の金利引き下げ幅を
0.3から1%に広げる内容だ。条件は厳しくなるが、
11年目以降の10年間もフラット35の金利よりも0.3%引き下げるタイプ
もある。前者を「10年型」後者を「20年型」という。
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当然、長期固定の住宅ローン金利は、変動金利より高くなります。
現在、変動は1%程度、フラット35は2.85%程度です。
これを1%優遇して1.85%にしようという内容です。

変動金利を選ぶと、将来金利が上がって、返済負担が想定外に急増する
リスクがあります。

でも、まずはマイホームを買うことに意識が向いていますから、
現実的には変動や短期の固定金利を選ぶケースが多いようです。

それに対して、フラット35も当初10年間の金利を優遇して、
取り込みを図りたいということでしょう。


当初10年の優遇を利用する際の注意点は、11年目以降に金利が上がる
ことを意識しておくことです。でも、これがなかなか難しい。

実際、11年目以降に金利が上がると、せっかく維持した全期間の固定金利を
手放して、変動や短期の固定金利に借り換えをするケースが多いんです。

もちろん、変動や短期の固定金利にすると、その後、金利が上昇する
かもしれない不確実性のリスクを背負うことを認識していれば問題はありません。

そこで、フラット35の優遇措置とうまく付き合う方法を考えてみました。

↓日経新聞記事より
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【前提】借入額3,000万円、借入期間35年、元利均等返済、ボーナス払いなし

金利は2.85%(2月の実行金利で提供する金融機関が最も多い水準)

当初10年間(1%優遇の1.85%)
毎月の返済額:約97,000円・・・①

11年目以降(2.85%)
毎月の返済額:約109,000円・・・②
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①→②で12,000円のアップ。
当初10年も②の109,000円払っているつもりで、差額の12,000円は貯蓄。
これを繰り上げ返済に充てます。
こうすれば、11年目以降に優遇金利がなくなっても、家計に影響は出ません。

たかが12,000円と侮ることなかれ。
子どもの教育費がかかる時期だったりと基本的に家計の支出は増えるもの。
ただでさえ家計が苦しいのに、住宅ローンの返済が増えるなんて・・・と。
特に、ボーナス払いを併用する場合、アップはもっと顕著になります。


一方、変動や短期の変動を選んだ場合、
過去20年間の金利の平均といわれる4%を基準に考えます。

先ほどと同じように、金利が4%だと思って、
現状との差額を貯めて繰上げ返済に充てます。
低金利が続けば、相当、繰上げできるでしょう。

私としては、変動や短期の固定金利を選んでいいのは、
4%程度まで金利が上昇しても大丈夫な方だと思います。

住宅ローンの金利選びは損得よりも、
リスクを回避することの方が大事だと考えています。

住宅ローンは、この位、余裕を持ってつきあいたいものです。

牛込伸幸FP事務所
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