行きかふ年もまた旅人なり

日本の歴史や文学(主に近代)について、感想等を紹介しますが、毎日はできません。
ふぅ、徒然なるままに日暮したい・・・。

「恐怖の円盤生物編」

2008-12-02 23:14:44 | Weblog
 1970年頃から始まった第二次ウルトラブームもシリーズ毎に苦戦し、円谷プロやTBSの善戦虚しく1974年には下火になっていた。そうした時期に「ウルトラマンレオ」は登場した。折りしも「日本沈没」がブームになっており、その影響もあってか、作風は常に世紀末を感じさせた。ウルトラシリーズにはイメージできる背景があり、それをバックに放送されていたからか、未だにその印象は変わらない。ウルトラマンは青空、セブンは暗闇、帰りマンは夕陽、エースは異次元空間、タロウも青空が多く、そしてレオは暗雲である。他のシリーズと圧倒的に異なっているのは、防衛チームのメンバーが殆ど殉職していくのである。ある意味、リアルな部分である。モロボシダンを隊長に、ウルトラ兄弟やウルトラマンキング、脚本など、テコ入れを続けたが視聴率はなかなか上昇しなかった。もはやこれに続くシリーズの作成は不可と考えたのか、遂に防衛チームMACを全滅させる手法を執った。これにより、主人公オオトリゲンがただ一人で地球を守り続ける、という痛々しい姿となる。

 第40話「MAC全滅!円盤は生物だった!」このタイトルを私は忘れない。

 開始6分でMACが基地ごと消滅。しかもその直前まで隊員のBDパーティーをささやかに行っていた・・・。そして、8分で主人公ゲンが最も大切にしていた地球人、山口百子、梅田カオル、野村タケシの3名が円盤生物によって命を落とす。残されたカオルの兄トオルと遺体の名簿を確認し、3人の名前が載っていた。他の出演者が後方で「お父さん!」とか「お母さん!」と叫んでいるのも妙にリアルだった。子供番組とは言え、この展開はキツイ。オオトリゲンはただ一人地球を守り続けるためレオに変身して戦う。これでもか、と言うほど悲惨な展開が続く。
 
 かつて同僚のM氏と熱く語った。「夢も希望も残らない、こんな悲惨な展開は無い」と。

 後にウルトラマンメビウスにオオトリゲン演じた真夏竜氏が出演し、当時のままレオとなってメビウスと戦った。背負っているものが違う。違い過ぎる。なめるなよ、メビウス、という貫禄をとても感じた。

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