行きかふ年もまた旅人なり

日本の歴史や文学(主に近代)について、感想等を紹介しますが、毎日はできません。
ふぅ、徒然なるままに日暮したい・・・。

リメイクを希望

2009-03-13 23:50:36 | Weblog
 海音寺潮五郎著『天と地と』は、1969年NHKの大河ドラマで扱われた。しかし、現存する映像は殆ど残っていない。
 後に1990年に映画化されるが、主人公の上杉謙信を予定していた渡辺謙は急性白血病のため降板、次に予定した松田優作はスケジュールが合わず登用できず、最終的に榎木孝明が演じた。

 作家・海音寺に、武田信玄を題材に執筆する依頼が編集者からあり、資料準備にとりかかり、信玄を調べていくうち、当然上杉謙信を知ることとなる。信玄は信玄で執筆したが、どうしても謙信を書きたかった。その発端の一つに、川中島の戦いは、殆どが武田側から描かれたものが多く、上杉方の資料が無く、上杉視点の川中島を書きたかったとの事。

 当時の大河のキャスティングは以下のとおりである。

長尾景虎→上杉謙信:中村扇雀→中村歌昇→石坂浩二
長尾為景:滝沢修
長尾晴景:山本耕一
長尾房景:志村喬
長尾顕吉:芥川比呂志
長尾俊景:加藤武
長尾景康:小倉一郎→三浦弘久
上杉定実:原保美
上杉憲政:大山克巳
上杉景勝:中村信二郎(現・中村錦之助)
金津新兵衛:高松英郎
鬼小島弥太郎:市村竹之丞(現・中村富十郎)
服部玄鬼:長門裕之
武田信玄:高橋幸治
武田義信:あおい輝彦
武田勝頼:中村まなぶ(現・中村梅雀)→小川吉信
武田信繁:浜畑賢吉
諏訪御寮人:上原恵子→中村玉緒
北条氏康:中村梅之助
北条氏政:森次晃嗣
柿崎弥二郎:藤木悠
柿崎弥三郎:名古屋章
本条慶秀:内藤武敏
鉄上野介:伊東四朗
宇佐美定行:宇野重吉
宇佐美定勝:高橋悦史
平田喜兵衛:毒蝮三太夫
新発田掃部介:和田孝
新発田尾張守:高桐真
斎藤道三:中村翫右衛門
太田資正:松村達雄
北条高広:和崎俊哉
村上義清:北村和夫
高遠頼継:戸浦六宏
佐野昌綱:佐々木孝丸
佐野宗綱:中野誠也
今川義元:根上淳
今川氏真:阿知波信介
中条藤資:樋口功→吉田柳児
中条尾張守:河原崎次郎
鈴木国重:鈴木瑞穂
神保良春:安部徹
杉原壱岐守:仲谷昇
会津伊豆守:久富惟晴
昭田常陸介:加藤嘉
黒田和泉守:中山昭二
納屋助八郎:藤田まこと
飛加当:米倉斉加年

 40年前の作品だが、キャスティングは今日では豪華過ぎる!!
新潟では、謙信公まつりにGacktが招聘され、『風林火山』で演じた上杉謙信の出で立ちで登場した。『風林火山』の謙信は当り役だったが、年配の方は石坂演じる謙信の印象が強い。
 何事にも筋を通す、という家風は愛弟子の直江兼続に引継がれ、今日の研究では後世の創作の意見が多いが、「直江状」に込められた文意にその家風を感じる。徳川家康に売られた喧嘩を正々堂々と正面から買った態度が、徳川政権に服属するかつての戦国武将が、その気概を思い出した一件である。