フィクションのチカラ(中央大学教授・宇佐美毅のブログ)
テレビドラマ・映画・演劇など、フィクション世界への感想や、その他日々考えたことなどを掲載しています。
 





 映画『まなみ100%』を見ました。この映画は9月29日公開なので、まだ映画館上映はされていませんが、それを中央大学における試写会で見させていただきました。
 というのも、この映画を監督した川北ゆめきさんは中央大学国文学専攻の卒業生。そして私の担当する宇佐美ゼミの卒業生です。また、私が担当するPBL科目「実践的教養演習」で、学生たちに映像制作の指導をしてくれた人です。そうした縁があって、川北さんの母校である中央大学で、公開に先立っての先行試写会を開いてもらうことになりました(ブログ掲載が遅くなりましたが、実施は4月末でした)。
 この映画は川北さんの自伝的な内容とのこと。それだけに川北さんの思いも強く、内容にも撮影場所にも、こだわりを持って作られていることがよくわかりました。封切り前ですから、内容について多くは語りませんが、いわゆる「フィクションの王道」をなぞろうとしていないことに、私は関心をひかれました。普通なら主人公をもっと観客に共感される人物に設定するか、逆に観客から笑われたりこわがられたりする人物に設定するか、どちらかだと私は思います。つまり、観客にどう思われたいのか、どう感じてほしいのかが、制作者側から設定されていること通常だと思います。しかし、この作品では、そうした作りごとめいた人物造形はなされていません。その点に私は強く興味をひかれました。

 上映後には、監督の川北ゆめきさんとプロデューサーの直井卓俊さんによるトークショーもおこなわれました。映画を見ていろいろ知りたくなったことが、直井さんによって質問されたので、映画とトークショーを一緒に体験できて実によい試写会だったと感じました。この映画が成功することを願っています。



※このブログはできるだけ週1回(なるべく日曜)の更新を心がけています。




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