『サンデー毎日』(6月21日号) の取材に協力しました。
先日このブログでも、村上春樹の新刊書『1Q84』(新潮社)について書きましたが、発売前に予約だけで40万部を越え、その後の1週間で100万部に迫る勢いで売れるという異常な状況になっています。それに関連して、『サンデー毎日』では、「『1Q84』バカ売れ 読まずに済ます村上春樹」という記事が掲載されました。村上春樹作品を好きで読んでいる人はいいとしても、これだけ社会現象化すると、読んでいない人も村上春樹作品のポイントくらい知っておきたい、と思うのは当然のことでしょう。
この記事に関して、記者さんからコメントを求められたので、私の村上春樹作品に対する見方や新作『1Q84』のポイントをお答えしました。その一部が、本日(6月9日)発売の『サンデー毎日』(6月21日号)に掲載されています。
もちろん、短いコメントですから、論文を書くようには自分の考えを伝えることはできませんが、その分、普段は文学作品にあまり関心のない方に日本文学への関心を持ってもらえるきっかけになったら、有り難いことだと思います。
それから一つ感じたことですが、雑誌の記者さんというのは何でも勉強しているということ。今回は五十嵐英美さんという女性記者さんからの取材だったのですが、この方が、村上春樹作品だけでなく、私の論文「村上春樹は日本文学に何をもたらしたか」( 『村上春樹と一九八〇年代』 所収)を読んでくださっていたのには驚きました。紀伊国屋やジュンク堂にも平積みされていた本とは言え、かなり専門的な研究書です。雑誌の記者さんがこうした専門的な研究論文まで読んだ上で取材している、というのには感心させられました。
私が中央大学で教えている学生たちにも、マスコミや出版社で働きたいという学生は多いのですが、そのためにはさまざまな分野の勉強をしなければいけないということを教えられました。