今月に入って、地域のお祭り、子ども会の行事、下の子の発熱と運動会等で慌しくしてるあいだに、もう中旬になっていました。
連休明けから、窓をあけると金木犀の素敵な香りが楽しめる季節になっていました♪
前から見たかった映画
「ヴィヨンの妻」を見てきました♪
太宰治のいくつかの作品をミックスしたストーリーになっているそうです(私は彼の作品はほとんど知らないので、どの作品がどれだけ混じっているのかわかりません。汗)。
夫婦役の浅野忠信さんと松たか子さん、彼らをめぐる人々に伊武雅刀さん、室井滋さん、広末涼子さんに妻夫木聡さんに堤真一さん、と登場人物は少ないながら、深くて静かなストーリーが進行していきました。
最初から最後まで一貫して目につくのは、流行作家ながら奥さんに生活費すら渡さず、女遊びや酒飲みに明け暮れて、何かあれば死にたがる浅野さん演じるところの作家・大谷のダメっぷり(笑)。
よくこんなダメ亭主に愛想をつかさないなー、と関心するほどけなげな良妻賢母役の松たか子さん。
そんな彼女に恋する純情一途な好青年役の妻夫木くんと、社会的地位を得たものの心は満たされない堤さん。
誰もが幸福になることはあまりなくもそれぞれの葛藤やら不条理やらもあるわけで。
おそらく太宰をモデルにしたであろう、浅野さんの演技は上手かったです。
文学的な理屈を奥さんに語っても、奥さんは「?」状態で、この夫婦はまったく知性的な釣り合いはとれないのに、松さんは旦那が好きだし、旦那は浮気しながらでも、それでもやっぱり奥さんに他の男が思いを寄せると焼き餅焼いて、いろんな行動を起こしたりします。
それでも、別れないのが夫婦ってやつねー、となんとなくわかったような気になるのがこの映画のよさでしょうか。
浅野さんも松さんも結婚生活を送ったことがあるor送っているので、この夫婦の心情を演じきれたのでは。
松さんだって、おとなしいだけの奥さんから、小料理屋で仕事を得て、だんだん自分を持つ女性になるし、人に言えないことを旦那のためにしたりする。
それでも、夫婦としてやっていくであろうふたり。
息子のために小料理屋のおかみさんがくれた桜桃を食べ続ける浅野さんの手のひらから、それをちょっと失敬して口にする松さんの姿が印象に残っています。
上手い役者さんを揃えると、こんなにいい映画が出来るのねー、と感心した映画でもありました。
個人的には、時期的にも堤真一さんを見て「あ。守兄さんだー」なんて思っちゃいました(笑)。
もちろん、総統閣下も重要な役どころで出ておいででしたが。。