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特集「ふえるわかめちゃん」なぜ減った?

2016-11-11 | Weblog
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ビジネス
特集
「ふえるわかめちゃん」なぜ減った?

お味噌汁やサラダの具材などに使われるカット済みの乾燥わかめ。

保存しやすく、調理に手間がかからないこともあって、料理に使う方も多いのではないでしょうか? 乾燥わかめの代表的な商品といえば「ふえるわかめちゃん」。発売から40年。今なお根強い人気を誇っています。ところが、今、「ふえるわかめちゃん」が減るという事態が起きています。背景には、わかめ市場の構造的な変化も影響しているようです。

“ふえるわかめちゃん”20%減る

家庭用の乾燥わかめ最大手「理研ビタミン」は、ことし6月、商品のリニューアルを発表しました。

三陸産のわかめを使った「ふえるわかめちゃん」について、20グラム入りの商品の販売をやめて、16グラム入りの商品を販売することを発表。中身は変わりませんが、内容量を4グラム減らす一方、価格は税抜きで330円に据え置きました。

“お徳用サイズ”も35グラムから7グラム減らして28グラムにしますが、価格は据え置きました。内容量を20%程度減らす一方で、価格は変えず、実質的な値上げです。

会社側では、今回5つの商品のリニューアルによる価格の上昇率は25%~27%としており、ことし8月から実施されました。昭和51年に発売された「ふえるわかめちゃん」。値上げは、東日本大震災で、わかめの産地である三陸地方が津波で大きな被害を受けた影響で、平成24年4月に実施して以来、4年ぶりです。

このほかにも、理研ビタミンでは、ことし10月からは「乾燥海草サラダ」など3商品も5.8%から8.3%値上げしました。会社は理由について、原料となるわかめの価格が高騰していることをあげています。

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わかめ市場揺るがす中国の不漁

理研ビタミンによると、「ふえるわかめちゃん」の原料になっている三陸産わかめの入札価格は1キロ当たり1364円と、主要産地に甚大な被害が出た東日本大震災以来の高さです。前年同期比で172%の上昇となっていて、企業努力だけでは生産コストを吸収することは難しいとしています。

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なぜ、ことし、わかめの価格が高騰したのでしょうか?

わかめの主要な産地、岩手県によりますと、わかめの生育期に当たる去年11月頃の水温が高く、成長が進まなかったということです。また、収穫前のことし1月、低気圧によって、海が荒れて養殖施設が被害を受けたため、ことしの生産量は去年のおよそ1万5000トンから1万4800トン程度に減っているということです。

さらに、わかめの価格に大きな影響を与えたのは中国です。国内で供給されるわかめは「ふえるわかめちゃん」が発売された40年前までは、ほぼ国内産が占めていました。ところが、平成に入ったころから中国産が入り始め、今や国内の供給量のうち7割が中国産が占めているのです。

これに対して、国内産は2割程度。去年のわかめの国内の生産量は4万8700トンでしたが、中国は21万2000トンに上っています。

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ところが、ことし、その中国でもわかめが記録的な不漁となっているというのです。代表的な産地、大連で三陸地方と同様に去年10月から11月にかけて水温が高かったほか、ことし2月から3月頃の低水温もわかめの生育に悪影響を与えたということです。理研ビタミンによると、中国のことしの生産量は、去年よりも65%少ない7万3000トンにとどまる見通しです。

日本国内の生産量も去年よりも18%少ない4万トン程度にとどまる見込みで、わかめの品薄感が広がって、価格が高騰したというのです。

理研ビタミンは「価格の改訂は、その時々の市場環境に照らして、値下げも含めて行っているが、ことしほど気候変動がわかめ市場に影響を及ぼしたことはないのではないか」としています。

市場規模は震災前に戻らず

一方、東日本大震災によって、わかめの市場構造が変わってしまったことも、今回の値上がりに拍車をかけました。

国内のわかめの市場規模は、450億円から500億円程度でしたが、2011年の東日本大震災で、主要産地である三陸地方の養殖施設や工場が被災した影響で385億円まで減少しました。現在は400億円程度まで戻っていますが、震災の発生から5年以上たった今でも震災前の水準まで戻っていません。

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これは養殖業者が廃業したことなどによるものですが、業務用を中心に、国内産に代わって、価格の安い中国産の導入が進んだことも影響しています。岩手県漁連によりますと、震災で失われた販路を元に戻すのは非常に難しいということです。

一方で、わかめの養殖は、寒さの中で行われ、体力的にもきつい作業なため、高齢化に伴って、担い手がどんどん減っているのが現状です。ことしのわかめ価格の高騰は、中国の生産動向に左右されやすくなった、市場の構造的変化も背景にあるのです。

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被災地から新わかめ開発を

東日本大震災の津波で大きな被害を受けた宮城県名取市閖上。

この地区に、理研ビタミンの子会社「理研食品」が、来年の春、新たなわかめの工場を建設する予定です。この工場では、海水を使用した茎わかめなどの一次加工を行うほか、わかめの種苗の研究開発施設も設ける計画です。

会社によりますと、この研究開発施設でわかめの収穫時期を広げて、気候の変動を受けにくいわかめの開発や、水温の変化に強いわかめの開発を進める予定です。こうしたわかめが開発されれば、水温に左右されずにわかめが収穫できるだけでなく、収穫時期が短期間に集中しないので、養殖業者の作業の負担も軽くできる可能性があるということです。

国産わかめの復活に向けた、科学技術による新たな試みが被災地から始まろうとしています。

 

出典元

http://www3.nhk.or.jp/news/business_tokushu/2016_1109.html?utm_int=tokushu-business-detail_contents_tokushu-business_002
(経済部 佐藤俊一)

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