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阿部重治郎の大道詰将棋七十年

2014年06月19日 | book
 大道詰将棋という昭和初期に存在した天下の往来で客と詰将棋で対戦する、ある種の射幸心を得られる娯楽について、老人の個人的な思い出話を語っている。北海道将棋連盟の私家本。渡世の大道将棋指しに飛車歩成らずの手筋をこっそり教えてもらった幼年期から大道詰将棋の面白さを見つけ、敗戦後の混乱時期の中国の大連で引き揚げ船を待つ間の1年間に、実際に大道詰将棋を大連で営業した。粗造乱造の創作詰将棋だが客(カモ?)になってくれる人は当時は多くて、比較的楽が出来たとしていた。「最後の大道棋士」と名乗る理由はここの所にあったのかもしれない。阿部重治郎は戦後は故郷の北海道に引き揚げて炭鉱夫となりエネルギー革命と高度経済成長の時代になると、元手で駅前に天麩羅屋を開いたそうだ。パートの従業員も20名ほど抱えていたこともあったそうだ。大道棋士に未練はあったようで、斜陽の落ち目の大道詰将棋を暇を見つけては楽しんでいた。その頃に詰将棋愛好会の余興で演じる大道詰将棋の大きな駒を作り、今も大切にしていると書いている。昭和40年頃までは、かろうじて札幌の狸小路辺りには、わずかに大道棋士存在していた、としている。80歳を過ぎてアタマがボケないために詰将棋を作り、健康で悠々自適の暮らしを過ごしていると、心境を述べてこの本は終わっていた。普通のルールで作られた駒が余らない、余詰めが無い詰将棋とは違った、一見すると簡単で大道棋士から「兄さん、どう?」と誘われそうな、不思議な魅力の大道詰将棋がこの本には多数掲載されていた。
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