ぼけヴォケ!

認知症患者と介護家族はいかにしてボケツッコミスキルを入手したか。
慢性骨髄性白血病発症。目指せ分子遺伝子学的寛解維持。

放置。

2009-09-25 | Weblog
本日はやや尾籠な内容にございます。
お読みになる方はご注意願います。


仕事の都合ゆえに、本日は5時起床のワタクシメ。
んが。
目覚ましが鳴るより早く目が覚めたのはほかでもない。


一階から伝わってくる引き戸の開閉音のせいである。
しかも、連続三往復。


「夜中は開閉音がうるさいから、部屋から出てくんなね。しっこは尿瓶でしない」というおかんさまの厳命も。
もはや届かぬつるつる脳味噌のBooじーちゃ。
朝もはよから、うろうろと家庭内を回遊し。
家族を叩き起こしておいて、自分はあらためて爆睡するという、額縁つきのはた迷惑である。
……まあ、どうせ何を言ったってどうしようもないのだが。


朝食を作りに一階へ下りてみると。


「……なに。このおしっこくささ~!」


慌ててダイニングの窓を開けた。


気にしてたら時間はどんどんとふっとんでいく。
あえて気づかなかったふりで朝食を拵えていたが。


あねうえどのが一言。


「トイレにBooじーちゃ。のオムツが、丸めて放り出してある!」


においの原因はそれかい。


おそらく、リハビリパンツにしたのが多すぎたのだろう。
なんとかしようとBooじーちゃ。自身も思ったのだろうが、自力では中途半端なところまでしか始末ができなかったということか。
認知症患者の中には、自分の粗相を「密閉できて、ぱっと見わからない場所」に始末しようという意識が働くのか。
炊飯器の中に使用済みのブツを隠していたという話も聞く。


それに比べれば、まだBooじーちゃ。は、ましな方だと思うしかあるまい。





昼間寝ていて夜になると起き上がり。
果ては「TV見せてくんない」と深夜におとんさまを起こしにくるくらい、まだ大丈夫。耐えられるぞワタクシメドモ。
人気ブログランキングへ

悪化。

2009-09-24 | Weblog
おかんさま一行が帰還してからというもの。
我が家はそれまでの23.156倍は騒がしくなったようである。


五分ごとに台所をのぞいてはトイレに行っては居間へ戻りと、うろうろうろうろ家の中を回遊するBooじーちゃ。
そしてイラついたおかんさまの怒鳴り声。


びみょんに胃がまたしくしくしてきてんですが。
気のせいでしょうかホントにそうですかな。


明日から仕事だってのに、めげているわけにもいかぬ。
とりあえず本日は生存報告のみ~。





ピロリ菌感染も疑うべきかなあ……?
人気ブログランキングへ

秋思。

2009-09-23 | Weblog
シルバーウィーク終了前にして、どうもお天気は下り坂のようである。
そのせいもあってか、さっさかとおかんさまたち一行が帰ってきた。
先日にも書いたが、父方の祖母(以下ばーちゃ。)の100歳の祝いからの帰還ではあるのだが。


その大型レジ袋三つ分ほどの柿の実は何よ。


ばーちゃ。の祝いのついでというかむしろ。
おかんさまの中では、畑仕事だの柿の実取りだのの方がシルバーウィークのメインイベントだったのは間違いなし。
んが。誰がそれを食べるんだろーか。
てか食べきれるのか?
……Booじーちゃ。なら、食べ切りそうだけど。
そうそう多量に食べさせるわけにはいかないし。


Booじーちゃ。は、カリウムの排出がうまくいかない。
芋や果実、実の野菜などの、カリウムが豊富な食物を多く食べさせるのはよろしくない。
んが、芋類だの南瓜だのの煮物は大好きなBooじーちゃ。
葉の野菜は、たとえ取り分けてやっても、箸でばっと皿から払いのけることすらあるのだが。
大好物となると、嬉々として自分の箸を大皿に突っ込む。
結果は覿面。痰を喉に絡ませては、げほごほと大騒ぎになる。
酷いときには胃の内容物まで逆流させてしまうこともある。
たかが痰と思うかもしれないが、結果として肺炎を起こせば死に直結しかねない。


ところが、暇になると空咳を繰り返す癖のあるBooじーちゃ。
端から見ていると、ただの咳払いなのか、それともカリウム過多による症状なのか判別しがたいものである。
最初は心配していても、次第に「いつものこと」と関心が薄くなってしまう。
それが怖い。


……とりあえず。柿だとかその他もろもろは、Booじーちゃ。の、目の届かないところに隠しとくかな。


早いもので、もう秋の彼岸の中日である。
柿の実や、彼岸花といったものを見るとわけもなく懐かしくしみじみとするものである。





Booじーちゃ。が帰ってきたとなれば、そうそうしみじみしてばっかりもいられないのだが。
人気ブログランキングへ

羽ばたき。

2009-09-22 | Weblog
ようやく祭りも終わり、踊りやお囃子の練習の音から解放された。
ご当地音頭ならまだしも、うるさいよさこいの音が流れなくなって本当にほっとした。
気を抜くとサブリミナル効果のように耳の奥まで焼き付けられた、アップテンポのソーラン節が脳味噌を駆け巡りやがってくださってますが。


静寂の戻ってきた秋のかはたれ時は、どの季節よりも昏いように思われる。
明るさの残った空一面に見えるのは。


小さな蝙蝠の群れ。


どこにねぐらがあるのかは知らぬ。
神社の木々の上を。
墓地の上空を。
めいめい、気まぐれな軌道を描きながら小さな虫を追いかけている姿は、羽根のついた鼠のようで妙に愛らしい。


夕方、暮れかかるこの時間帯だけしか見ることができない乱舞は食物連鎖の一端でしかないのだけれど。





とても静かな生命を賭けた戦いである。
人気ブログランキングへ

到達。

2009-09-21 | Weblog
ハッピーマンデー法以降、9月の第3月曜日が敬老の日ということになっている。
こちとら毎日が敬老どころか疲労の日になりきっておるわ、てやんでい、なぞと。
愚痴か本音かわからぬ文句をこぼしつつも。
とりあえず、今年はめでたがっておく予定である。


なぜかというと。
父方の祖母(以下ばーちゃ。)が今年で100歳になるからである。


ちょっきり1世紀を生き抜いてきたというだけで、ワタクシメは、ばーちゃ。を、尊敬する。
だって、生まれは明治だよ明治。
ばーちゃ。の来し方を思えば、気が遠くなるような思いすらある。
ワタクシメ自身はそこまで生きられるだろうかと。
半世紀も生きていないが、このワタクシメも、ばーちゃ。の人生に匹敵するほどの価値のある時間を送っているだろうかと。


厚生労働省の発表によれば、今年の100歳超え人口は四万人を突破したのだという。
超高齢社会日本はどこへ行く。
100歳超えの方々の全部が全部、どこぞの長寿万歳番組に出てくるお年寄りのようにお元気ならいいが。
そうでない方のほうが当然多いのだろう。
ワタクシメのばーちゃ。とて、そうだ。
見舞いに行っても「どこのどなたさんか一向にわかりませんが、折角尋ねて来てくださったのだからお相手をせねば」というような精一杯のお愛想笑いを向けられると。
孫の身としてはまことにせつないもんがあるのだが、それが現実だからしかたがない。





それでも、100歳おめでとう。
そして、もっと長生きして欲しいと心底願う。
孫の顔なぞ忘れてくれてもいい。ただ、生きていてくれれば。
人気ブログランキングへ