ぼけヴォケ!

認知症患者と介護家族はいかにしてボケツッコミスキルを入手したか。
慢性骨髄性白血病発症。目指せ分子遺伝子学的寛解維持。

エンドレスリピート。

2009-01-01 | Weblog
世の中とは、日々繰り返しで動いているらしい。


たとえば、胃袋が膨らんだ瞬間、お脳味噌がスタンバイ省電力モードになってしまうらしいBooじーちゃ。を日中眠らせないために。
毎日朝晩居間に放たれる、家族愛のこもった「寝るな」シャウト。

別にこれは嫌がらせではない。
日中に好きなだけ寝かせておくと、長い一人暮らしの習慣から、夜行性の生態を有するBooじーちゃ。が、徘徊をするからだ。
起こしておいても昼も夜も徘徊するんだが。
また、ソファーに腰掛けた状態でスリープモードに移行されてしまうと、頸椎を痛めてしまうことを心配してのことでもある。
ただでさえ、尿瓶を持つ手がプルプルしているのだから。
床に盛大にぶちまけられ、イヤンな大洪水になるのは避けたいものである。
なお、「寝るなコール」は昼には行われない。きちんと三時間は昼寝をさせているからだ。


たとえば、三歩歩けばしようとしていた行動を忘れてしまう、揮発性記憶の持ち主となってしまったBooじーちゃ。と。
そのQOL維持にひっちゃきになるあまり、指示してばかりのおかんさまとの攻防。

Booじーちゃ。の気持ちもわからんでもない。
三歳児でも「顔洗いなさい」「歯を磨きなさい「トイレから出たら手を石鹸で洗いなさい」と命令ばかりではダダをこねたくもなる。
高齢者においてはなおさらであろう。
なお、Booじーちゃ。のダダこねは、自分の娘に命令されるのが気にくわないから、ではない。
すでに娘がいたことすら忘れているのだから。

この攻防戦の最大の問題は、いくら、Booじーちゃ。が、「ヤダヤダヤダ!」とダダをこねても、さっぱり愛らしくないことである。
つくづく、子どもの愛らしさは偉大だ。
そして、おかんさま、おとんさまを含め介護に携わるすべての方々はもっと偉大だ。

どんどんと体調が、記憶が、そして人格が崩壊していく家族と最期までぶつかりあうことを覚悟して、新年を迎えることはできた。
さて。
どこまで一緒に歩んでいけることだろう。

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