ぼけヴォケ!

認知症患者と介護家族はいかにしてボケツッコミスキルを入手したか。
慢性骨髄性白血病発症。目指せ分子遺伝子学的寛解維持。

半年。

2012-09-07 | Weblog
白血病の化学療法を始めてから、六ヶ月がたった。
いろいろと副作用と思われる身体的変化があったので、つらつらと。



まず一つ目。
蚊に血を吸われなくなった。


わりと蚊に好かれやすいタチだったワタクシメだが。
あねうえどのの手足が、ポップな赤い水玉状態になるまで喰われまくっている横にいるというのに。
申し訳程度に二つ三つぐらいしか喰われていないという状態。
ちなみに去年までは逆だった。
抗癌剤治療中の血は、どうやらまずいようだ。
健診でも貧血傾向があると言われたし……。



その二。
体重が減った。
現在のところ、約5キロ減あたりでうろうろ下げ止まり。
「スマートになったんじゃない?」なぞと言ってくださる方もいらっしゃいますが。


ま っ た く 喜 べ ま せ ん 。


病気で体重が減ったというのは。
当人にとっては、「病み衰えた」とか「やつれた」であって。
「すっきりスリムになった~!」なぞと脳天気に喜べるモノじゃないんですな。
吐き気が来たときのしんどさをセツセツと訴えたくなったけど自重。
他人の痛みは、共感はできても理解不能なものだから。



その三。
髪が薄くなった。
……まあ、抗癌剤の副作用としては定番ですが。
寝起きの爆発具合がなんというか。


コロッケ氏のものまねな「長い夜」状態?


寝癖で髪が立ちまくっていると、いやあ、地肌がどこまでもよく見えること(とほほ)。
とんと古びて髷の取れた雛人形のような風情すらある。
下ろせば下ろしたでなにこのエアリー感。
髪そのものも細くなっているせいで、ふわっとしてみえるらしい。
幼児の髪とかとかひよこの羽根とか、現実と戦ってるをじさんの頭っぽい。
頭に比べて、身体はムダ毛がなかなか消滅しないのがちょっと不条理。



その四。
リバース頻度急上昇。
嘔吐ってのも副作用の定番ですな。胃袋の容量が大幅ダウンしてるのも関係ありかも。
「甘い物は別腹~♪」なんて、今のワタクシメには絶対に言えないせりふ。
ちょっと多めに食べると、胃壁がメリメリいってる感じがするので慌ててやめる。
問題は、いまだに「ちょうどいい食事の量」というのがよくわからないことだったする。


よく考えると、副作用の定番って外胚葉系器官(皮膚とか消化器とか)に多い気がいたしますな。
内臓など他器官に出る障害が連鎖して出てきているせいなのか、それとも他に理由があるのか。
どなたか教えてくださいませ。


閑話休題。


ワタクシメの胃袋の場合、動物性脂肪と唐辛子系が特によろしくない。
皮膚障害(含む脱毛)の遠因でもあるので、脂肪も刺激物もなるべく避けて通っている。
居酒屋メニューなんてもってのほか。
酒も論外だし、刺身は食あたりを起こしやすくなっているということもあるが、ここ半年は一歩も足を踏み入れてないので無問題ではあるが。
どうしてもカレーを食べなければならぬ場合なぞは、甘口お子さまなルーをご飯の三分の一ぐらいに減らしてもらう。
なんというライスなカレー。


脂肪と唐辛子系を避けて通る食生活をしていると、どうしても薄味万歳になるのはいいことかもしれん。
まだ暑さの去らぬ昨今、薄味だと塩分摂取過少で熱中症になるんじゃなかろうかと思われるかもしれないけど。
ナトリウム塩(食塩)だけでなく、野菜類からもカリウム塩などのミネラルを摂取しているからかもしらん。
水中毒を起こすほど、水だけ飲んだりもしてないしね。



その五。
爆睡率高。
なかなか休日にもおでかけしようという気になれんかったりする。
身体的に疲れやすいというのは、どうも精神的にもしんどいと思うことが増えるのにも関係するらしい。
じつは、この文章も数日かけてチマチマと書きためている。



日常的に悩まされてるのはこのあたり。
投薬開始の初期にあった、視界のグレーアウトや離人症っぽい現実認識は低減したものの。
汗のかきかたが変わったり(頭皮から噴出する)、肝機能障害が出てきたりといった、自覚症状のあまりないものも結構ある。
とはいえ。
骨肉腫で足を切断した選手が、パラリンピックでテニスや陸上競技に出場したりしているのを見ると。
まだまだワタクシメなぞは修行が足らんとは思う。





パラリンピックもウルトラオリンピックも、全部オリンピックの一部として扱われないものかなぞとふと考えてみたり。
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