開口一番。

お通夜の席でのこと。


滅多に会わない、どころか生まれて初めて顔を合わせるような親戚も多く駆けつけてきてくれた。
その中に、二十年近くも会ってなかった従兄弟が一人。


「遠いところ大変でしたね」と。
挨拶しに寄っていったところ。


マヂマヂと人の顔を見たあげく。開口一番、


「太ったっねぇ～」（しみぢみ）


…………。


…………。


自分のことはナニ棚に上げて言いくさりやがりなさいますかこの信楽焼体型メがっ！


経年劣化はお互い様。
余計なこと言いさらすと、笠被せて大福帳持たせて徳利吊してそのへんの居酒屋の店先に立たせるぞゴルァ。
なぞという内心は完璧に覆い隠し。
お愛想笑いでその場をしのいだワタクシメを褒めてやりたい。





葬儀なんてのは悲喜こもごも。本題とは関係のない余計なとこで。