六方。

我が家の玄関には、手の届くところに靴を置かないというルールがある。
さもないと、夜中に徘徊を始めたBooじーちゃ。
誰の靴であろうがかまわず履いて出ようとするからである。


そんなわけで、シューズボックスや靴箱はぱんぱん。
それもこれも徘徊を防ぐためですBooじーちゃ。
それなのに。ああそれなのに。


…………。


あのー。


なにゆえにワタクシメのブーツがご丁寧に飛び六方を踏んでおりますか。


しかも、花道ならぬ踏み台の上で。
「勧進帳」の弁慶かいワタクシメのブーツわっ。


どうやら、夜中にかたっぱしから試着に及んだBooじーちゃ。
ワタクシメのブーツの、ボアの暖かさがたいそう気に入ったので別置きしたというのが真相らしい。
窮屈なのはどうでもいいんかい。
ワタクシメよりもはるかにでかい足をしておりますBooじーちゃ。
以前にも、ワタクシメの靴をむりくり足を突っ込んで伸ばしきってダメにしてくれたのだが。
今回のブーツは、その時の靴の８倍の値にもかかわらず、東京スカイツリーのてっぺんから投身自殺する勢いで覚悟を決めて買ったもんであるとゆーに。
それすらダメにする気かい。えーかげんにせぇよ（怒）。





……ほんっきでピンヒールしか買わないことにしようか。もしくは足つぼ用ゴルフボールでも投入しておくべきか。