ぼけヴォケ!

認知症患者と介護家族はいかにしてボケツッコミスキルを入手したか。
慢性骨髄性白血病発症。目指せ分子遺伝子学的寛解維持。

なきごえ。

2009-06-12 | Weblog
職場の人が、がたがた動いて鳴く段ボール箱を会議室へと運び入れた。


産地直送のにゃんこである。


会議室の入り口が、ワタクシメの机からよく見えるので。
鳴き続ける声に誘われて視線がついつい行ってしまう。

ドアを開けた職場の人の反応は、実にさまざま。


その場で思いっきりジャンプしたおっちゃんとか。


二三秒硬直した後、びろーんと顔が緩む女性とか。
不思議なことに、お子さんのいる女性は、ほぼ100%顔が緩むんである。


職場のえらい人は早々に逃走した。
その会議室は、昼休みの間、昼食を取ったおっちゃんずがよく昼寝をしているのだが。
あまりにもにゃんこがよく鳴くので、寝てらんないどころか、おちおちゆっくり食事もできない、ということのようだ。


……残念ながら。
引き取り手がおらず、にゃんこは保健所に送られることになった。
よほどに手を挙げようかとも思ったのだが、自分の体調や介護状況を鑑みれば。
そのにゃんこをひきとりますということはできなかった。
ひきとって、これからいっしょに生活するという、一つの命に対する責任を負いきれる自信がなかった。
ワタクシメは、ただ、爪でがりがりと穴を大きく広げられつつあった段ボール箱が、引き取りにきた保健所の人に手渡されるのを見ていることしかできなかった。

つくづく、くるねこ大和のくるさんはすごいと思った。
ブログにお邪魔して、のほほんと感情移入して、一方的にほんわかと癒されてばかりいたが。
いざ、同じ立場に立ったときに、どうしても、くるさんと同じような決断も行動もできなかった自分の力のなさが口惜しい。
口惜しくて、情けない。

せめて、残された時間の中で良い縁に助けられてほしいと願う。
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