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大内麻紗子の【好きなことを好きなだけ】ブログ

漆を知る

未知の液体〝漆〟

その第一印象は「クサイ」でした。

漆には他では嗅いだことのないような独特なニオイがあります。

しかし聞くところによると、木から掻き取ったばかりのものはフルーティーないい香りがするというので、おそらく手元にあった漆は時間が経ったものだったのでしょう。

時間が経つと樹液に含まれている水分が腐ってくるのです。

それこそウ○コかなというようなニオイがすることもあります。

でも使っていると不思議と慣れてきますし、漆を使ったものなのか、カシューという代用品の塗料を使ったものなのかは匂いを嗅ぐとわかったりします。

乾いた後の漆は、むしろどこか懐かしいようないいニオイだなと個人的には思います。

エモいとでもいうのでしょうか。


しかし〝漆〟というもの。

一般的には商品として売られている漆器でしか目にすることがないので、そもそも「漆ってどの部分の何を指していうの?」とわからない方も多いと思います。

簡単にご説明すると、漆というのは〝ウルシの木〟から摂れる樹液で、元はとろみのある液体なのです。

10年以上育てて樹液が摂れるようになった頃、幹にわざとキズをつけて滲み出してきた樹液を採取します。

サムネの写真にもあるように樹液は乳白色をしており、生漆と呼ばれる採ったままの漆を、加工したり調整しながら様々な使い方をするのです。

一本の木から約200ml

漆が貴重と言われる所以ですね。


そしてよく言われるのはその能力の高さです。

純粋な漆は、防虫・防腐効果および菌の抑制効果があり、酸アルカリに強く熱にも強い

接着剤にもなるし乾くととても強靱になる天然の樹脂。

素晴らしいですよね。

漆は縄文時代から使われていたそうなので、きっと昔の人もその効果に気づいて生活に取り入れていたのでしょう。

その習慣が今でも続いていることに驚きを隠せません。


ところで「漆って毒なんでしょ?」と言われることがあります。

かぶれることはありますが、決して毒なことはありません。

漆の芽は食べられるし、実はコーヒーにすると美味しいというし、何よりも漢方医薬としても利用されているのです。

内服薬としてもアカギレの傷を治すのにも使われたりするそうです。

漆が毒だったらそれこそ縄文時代から今まで使い続けられてくることはなかったでしょう。

こういった誤解はなくなっていってほしいなと思います。


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