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誰でもよかった:秋葉原通り魔事件/中 青森の有名進学高、挫折した優等生

2008-06-20 01:14:48 | 国内社会
 誰でもよかった:秋葉原通り魔事件/中 青森の有名進学高、挫折した優等生

 ◇<負けっぱなしの人生> 短大出て職を転々
 東京・秋葉原で17人が殺傷された事件の4日前。携帯サイトの掲示板に、加藤智大(ともひろ)容疑者(25)のものとみられる書き込みがあった。

 <県内トップの進学校に入って、あとはずっとビリ 高校出てから8年、負けっぱなしの人生>

 青森市の金融機関幹部の父と、専業主婦の母、3歳下の弟の4人の家庭で育った。中学では成績がよく、絵が得意で、ソフトテニス部で活躍する万能の優等生だった。中学時代の文集では剣を持ったアニメキャラクターの絵とともに、英語で趣味や特技を書いた。

 両親は教育熱心でしつけに厳しかった。父が2人の息子を怒鳴る声を近所の人は何度も聞いている。書き込みには、両親との関係のくだりがある。

 <親が書いた作文で賞を取り、親が書いた絵で賞を取り、親に無理やり勉強させられてたから勉強は完璧(かんぺき)>

 <親が周りに自分の息子を自慢したいから、完璧に仕上げたわけだ 俺(おれ)が書いた作文とかは全部親の検閲が入ってたっけ>

 <中学生になった頃(ころ)には親の力が足りなくなって、捨てられた より優秀な弟に全力を注いでいた>

 このあと、冒頭の書き込みが登場する。

 加藤容疑者が進学した県立青森高校は、県立八戸、県立弘前と並ぶ有名進学校だ。地元では「せいこう」と呼ばれ、作家の太宰治や寺山修司も学んだ。「9割は東大に入ろうと思って入学する」(元教頭)というエリートの卵たちの中で、加藤容疑者は理系クラスの目立たない存在だった。

 所属していた将棋部の顧問の教諭は「アルバムを見ると載っているが、思い出せない」と話す。

 加藤容疑者は高校時代、車に興味を持った。「F1に夢中になり、『リアルな車のゲームがある』とゲームセンターに誘われた」と、同級生は振り返る。

 「トヨタで自動車を設計したい」と担任に夢を語り、整備士を養成する中日本自動車短期大学(岐阜県坂祝町)の自動車工学科に進んだ。卒業間際になって「弘前大に行く」と短大事務室に進路を告げた。しかし、実際には仙台、さいたま、茨城県常総市を転々とし、派遣会社を通じて自動車工場などで働いた。

 <トヨタの期間工(期間契約で働く作業員)に応募して落ちた>と掲示板で打ち明けてもいる。地元で正社員のトラック運転手に採用されたが、8カ月で辞めた。その後、静岡県裾野市の関東自動車工業に派遣され、事件を起こした。

 実家の近所の人が、印象的な場面を今も記憶する。冬の朝、雪を側溝へ流していると背中から声がした。「おはようございます」。小学校低学年のかわいらしい男の子が、体を直角に折り曲げてお辞儀している。それが加藤容疑者だった。

 事件前日にはこんな書き込みがある。

 <小さいころから「いい子」を演じさせられていたし、騙(だま)すのには慣れている>

(出所:毎日新聞 2008年6月11日 東京朝刊)
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2 コメント

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岐阜の整備士専門学校 (ニュースは正確に)
2008-06-22 00:52:42
青森高から進学してはいけないのか整備士学校と思う。

優秀な整備士を輩出していますよ。

バカしか行かない学校ですかね
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ニュースは正確にさんへ (東西南北)
2008-06-22 03:07:42
 コメントサンキュー。

 そうですね。偏差値による学校間格差をランキングしている今の受験体制が諸悪の根源だと思います。小中学校のようにランク化しないで希望者が全員入学できる制度にせねばならない、と思います。「あの学校は馬鹿で偏差値の低い落ちこぼれの集まり」などという世論の根拠になるのが受験制度であり、諸悪の根源です。

 職業能力を体得する専門学校というものも全部の専門職種について整備できれば最高ですね。

 学校は、専門職業能力ではなく、一般の職業能力と主権者としての能力を体得し、学習する場所にせねばならない、と思います。

 大学についての専門課程は研究職に必要な専門課程コースと研究職以外の職業専門能力をつけるコースに分けて、学生が選択できるようにすべきです。高校の専門課程についても同様だと考えます。
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