民主、道府県議選で大幅議席増 2政令市議会は第1党に
8日投開票された44道府県議選(総定数2544)は、民主が前回の205人を大幅に上回り、375人の当選を決めた。自民は1212人が当選したが、過半数(1273)には届かなかった。有権者の「政党離れ」が進むなか、前回より候補者を絞って臨んだ「守り」の自民に対し、民主は「攻め」の姿勢で議席倍増に迫る結果になった。
民主党は15政令指定市議選(総定数983)でも健闘。名古屋市で公認候補が全員当選し、自民党を上回って市議会第1党になったほか、川崎市でも第1党になった。札幌、仙台、横浜、神戸などの各市でも自民党と互角の戦いをした。
44道府県議選は、東京都と茨城、沖縄両県を除く各地で前回より90少ない総定数に対して計3773人が立候補した。
自民は候補者を前回比32人減の1465人と絞り込み、党勢の堅実な維持をめざした。「平成の大合併」の影響で議員数が減っているなか、「合併や定数減らしで自民はあおりを受ける」(同党参院幹部)ためだ。
民主は前回より8割増の476人を擁立。参院選に向けて自民党より弱い地方組織の強化をめざし、1人も立てない空白区の解消や定数3以上の選挙区に複数の候補を擁立することに力点を置いた。鳩山由紀夫幹事長は8日夜の記者会見で「参院選の基盤固めができた」と語った。
公明は前回に引き続き、今回も擁立した181人全員の当選を決めた。北側一雄幹事長は同日夜、「身近な生活の課題が争点になってくることが多い。(公明党は)国、県レベルでさまざまな実績をつくってきたので、反響が大きかった」と手応えを語った。
一方、共産、社民は伸び悩んだ。共産は候補者を絞り込み、前回より76人減の310人を擁立。現有議席の確保や共産党議員がいない議会をなくすことを目標に掲げたが、当選は100人で、前回(107人)には及ばなかった。
前回は73人が当選した社民も、今回は候補者を30人減らして74人に絞り込んだ。改選議席を1議席でも増やすことを目標に、福島党首らが地域間格差の解消などを訴えたが、当選は52人で前回を大幅に下回った。
(出所;朝日新聞HP 2007年04月09日02時52分)
統一地方選:道府県議選=総括
8日投開票された44道府県議選は、自民党が過去最低となる1212議席にとどまる一方、前回より立候補者を6割増やした民主党は過去最高となる375議席を獲得。道府県議会でも自民、民主を中心とした政党色が強まった。ただ、民主党が議席を伸ばしたのは都市部中心。同党が「地方の足腰強化」という課題を克服し、7月の参院選で与党を過半数割れに追い込むことができるかどうかは微妙な状況だ。
当選者の党派別内訳は、自民党は前回の1309人から97人減、民主党は145人増えた。公明党は前回当選率が100%だったが、今回も181人の候補全員が当選した。共産党は立候補者を前回比76人絞った選挙で、当選者100人を確保した。前回73人当選した社民党は、52人にとどまった。初の統一選となった国民新党は1人が当選した。
道府県別の獲得議席率を見ると、自民党の割合が高かったのは、(1)富山(2)鹿児島(3)佐賀--と郡部中心だった。一方、民主党は(1)岩手(2)愛知(3)北海道--で、上位は小沢一郎代表の地元、岩手を除き、都市部が占めた。
7月の参院選では、富山や鳥取など29の1人区での勝敗が自民・民主対決の焦点となる。1人区県での獲得議席をみると、自民党が民主党を上回ったところが多かった。民主党が7月の参院選で与党を過半数割れに追い込むには1人区での勝利が不可欠であり、1人区対策という課題は残されたままだ。
ただ、前回は青森、福井、三重、和歌山、高知、鹿児島の6県が旧自由党も含め民主党の当選者がいない「空白区」だったが、今回はすべて解消した。また参院補選(5日告示、22日投開票)で両党とも候補を立てている福島県では、民主党が前回比7人増で約2割の議席を獲得した。
44道府県議選の総定数は前回より90議席減の2544議席で、立候補者数も81人減った。無投票当選(416人)を除いた実質倍率は、前回と同じ1.58倍。道府県別で最も実質倍率が高かったのは埼玉県で1.81倍、最低は鳥取県、香川県の1.24倍だった。【米村耕一】
(出所:毎日新聞 2007年4月9日 2時44分)
統一地方選:政令市議選 民主党が都市部での強さを誇示
政令市議選は8日、静岡、北九州を除く15市で実施された。民主党が定数に占める議席の割合を03年の前回(12政令市議選)より伸ばし、都市部での強さを改めて誇示した。
前回比152増の定数983に対し、1378人が立候補。浜松、京都、大阪で計13人が無投票当選となり、実質倍率は1・41倍と前回と同じだった。
総定数に占める議席の割合は、民主党が約19%を超え、前回の16%を上回った。自民党は前回の30%から約28%に減らした。169人が立候補した公明党はほぼ全員が当選した。共産、社民両党は前回とほぼ同じ割合を維持した。
女性の当選者は全体の2割近くを占め、前回よりも比率を若干伸ばした。【井上英介】
(出所:毎日新聞 2007年4月9日 2時37分)