陽だまりの中のなか

前田勉・秋田や詩のことなど思いつくまま、感じたまま・・・。

ぼうずみ愛 詩集『岬 待春』

2017-09-08 | 詩関係・その他

       

 ぼうずみ愛さんの第二詩集『岬 待春』が刊行された。
 本名、平塚愛子。1982年に潮流出版社から処女詩集『坊住山抄』を出版。秋田生まれの先輩詩人。本詩集は、これまでの長い詩歴の中から自選された31編を収録。
 ぼうずみさんは、お話も表現される世界に関しても実に情熱的な人である。まさに芸術肌。同封されている栞に寄せた秋田県現代詩人協会吉田慶子会長が、書き出しで<ぼうずみさんは愛の詩人である>と書いているほど。また、帯文を書かれた故山形一至元秋田県現代詩人協会会長は、<生涯の大部分を村上透画伯との師弟関係で貫いた行動の軌跡は、今も天空に浮かぶ白月のようだ>と、愛の詩人ぼうずみさんを言い表わしている。
 
 「岬待春」

 絵である

 本土最北端
   龍飛の海から生まれ
 さかまく波にあらがい
 岬から
 玄のみちをたどり
 上野の森の都美術館の壁面から
 群衆の目に
 「絵は生きもの」と
 美のしんりを吹きかけ
 いのちをつたえ
 そして
 絵の旅は
 子午線を西にくだり
 漂流の果て
 房州海岸 ホスピタルカメダ
 終の住処とさだめ
 太陽が燦燦と目もあやに
 昏れる日日

 二十一世紀を生きる  

コメント
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