占い師の日記

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誰がために鳥は鳴く?・鑑定98ー16

2016年02月15日 08時00分00秒 | 鑑定98-鑑定99
誰がために鳥は鳴く 16 




桐子ちゃんの気持ちを汲み取ること

感情を引き出すこと

かなり良いところまで行ったのだが


恵那「キリちゃん・・・ごめんね

   わかったようなこと言っちゃって・・・

   でも、キリちゃんは

透明「ただいま~ 

恵那「

桐子「

透明「ごめんね~ぇ~遅くなっちゃって

   今、何しているの

恵那「え、え~っとおままごと

桐子「・・・・・。」

透明「そっかおままごとかぁ~

   それじゃ~、キリちゃんの自動モードを

    終わらせて、続きをしようかな



取りあえず、仕切り直し

私は、キリちゃんの背中を押し、自動モードを

解除する・・・



透明「お母さ~ん今日の御飯はなあに

恵那「えっ、あっハ、ハンバーグよ

透明「やった~っキリの大好物

恵那「そ、それじゃぁ~、一緒に作ろうか

透明「うん


とにかく、先ずは空気感を変えよう

私と恵那ちゃんは、楽しそうにおままごとを続ける・・・。

少しづつではあるが、キリちゃんも和んでいるように

感じた



透明「(そろそろかな)

   そういえば、お母さん

恵那「なにキリちゃん

透明「この前は、ごめんなさい

恵那「えっ

透明「キリ・・・お母さんのお仕事の邪魔しちゃって

桐子「

恵那「えっ・・・え~っと・・・

透明「でも、キリは あいたたたたっ 

恵那「

桐子「

透明「ごめんまた、お腹がまた、自動モードにして

   おくから、続けておいて


と、言いながらお腹を抱えて部屋を飛び出す

三文芝居の透明先生・・・



透明「(さて第二ラウンドだよ)」



恵那「・・・・・。」

桐子「・・・・・。」

恵那「(ハッいけない続けなきゃ)

   キ、キリちゃん・・・どうしてお母さんの

   お仕事の邪魔をしちゃったの

桐子「あっ・・・・・・



桐子ちゃんには、記憶があるはず

お母さんが仕事の邪魔をするなと怒っていた

ことを・・・。



桐子「・・・ご、ごめんなさい・・・・。

   で、でもキリ・・・・・・・・
   お母さんに笑って欲しかったんだもん 

恵那「




突然の大きな声に、恵那ちゃんが驚いている

チャンスだよ恵那ちゃん



恵那「・・・そっかそうだったんだ

   キリちゃんは、お母さんに笑って欲しかったんだ

   ごめんね、キリちゃん・・・お母さん気が付かなくて・・・

桐子「・・・ご・・・ごめんなさい・・・

恵那「いいのよキリちゃんが、想ったことがわかって

   お母さん、嬉しいから

桐子「えっ

恵那「キリちゃんは、お母さんの喜ぶことが

   したかったんだね

   なのに、お母さん気づけなかった・・・

   本当にごめんね

桐子「そ、そんなこと・・・。」



うんちゃんと桐子ちゃんとシンクロしている

桐子ちゃんが欲しかった言葉をちゃんと選べているね


それからの恵那ちゃんは凄かった

おままごとをしながら、桐子ちゃんがしたかったこと、

感じたかったことを的確にさせてあげていっていた・・・



恵那「クスクスハンバーグの完成~っ

桐子「かんせ~い

恵那「それじゃぁ~、キリちゃん

   一緒に食べようか

桐子「うん


目の前にあるおもちゃのハンバーグに向かって

手を合わせ、大きな声でいただきますをする二人



恵那「もぐもぐ

桐子「もぐもぐ

恵那「美味しい

桐子「おいし~っ

恵那「キリちゃん明日は何が食べたい

桐子「明日は・・・・ぐすっ・・・ぐすっ



突然桐子ちゃんの目から大粒の涙が溢れる



桐子「えっ・・・ぐすっ

   あれっ・・・・ぐすっ



戸惑う桐子ちゃん・・・。

顔は笑っているのに、涙が止まらない

桐子ちゃんにとっては、何が起こっているのか

分からないのだろう・・・。


次の瞬間

恵那ちゃんが桐子ちゃんを優しく抱きしめる・・・。


恵那「偉かったねキリちゃん

桐子「

恵那「キリちゃんは、ず~っとこうしてお母さんと

   遊びたかったんだよね

   お母さんが忙しいし、機嫌が悪いから、

   我慢していたんだよね

   でも、もういいのよこれからは、毎日

    おままごとしようね

   美味しいごはんも食べて、沢山遊ぼうね

桐子「ううっ・・・え~~~~~~ん~~~~~~

   ええ~~~~~~んごめんなさ~~~~い

   ええ~~~~~~んおかあさ~~~~~ん

   ごめんなさ~~~~~いえ~~~~~~ん
 

恵那「キリちゃん・・・ぐすっ・・・おかえり・・・

桐子「ええ~~~~~~んえ~~~~~~~ん 



重たいおもちゃ箱の蓋は開かれ、大粒の涙と共に

浄化されてゆく・・・



透明「(よくやったね恵那ちゃん)」



恵那ちゃんは、子供の頃に自分が経験したことを

ちゃんと桐子ちゃんに伝えられたようだ・・・



全ての子供がそうではないかもしれない


それでも、子供はお母さんを嫌いにはなれない

お母さんが自分を疎むのは、自分が足りないから

自分が悪いからと考えてしまう

桐子ちゃんにとって、それは自分を戒め、己を殺す

ことにつながってしまっていたのだろう・・・

自分を許すこと・・・許されること・・・

桐子ちゃんは、初めて自分のために泣くことができた

その涙は、必ず頑なな心を溶かし、強さへと変わるだろう



星が瞬く夜に、全ての悲しみを吐き出すように

小鳥の鳴き声が響いていた・・・。

 




                 続く ・・・。




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是非ごらんください 



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コメント (11)
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