誰がために鳥は鳴く ・16
桐子ちゃんの気持ちを汲み取ること
感情を引き出すこと
かなり良いところまで行ったのだが
恵那「キリちゃん・・・ごめんね
わかったようなこと言っちゃって・・・
でも、キリちゃんは」
透明「ただいま~ 」
恵那「」
桐子「」
透明「ごめんね~ぇ~遅くなっちゃって
今、何しているの」
恵那「え、え~っとおままごと」
桐子「・・・・・。」
透明「そっかおままごとかぁ~
それじゃ~、キリちゃんの自動モードを
終わらせて、続きをしようかな」
終わらせて、続きをしようかな」
取りあえず、仕切り直し
私は、キリちゃんの背中を押し、自動モードを
解除する・・・
透明「お母さ~ん今日の御飯はなあに」
恵那「えっ、あっハ、ハンバーグよ」
透明「やった~っキリの大好物」
恵那「そ、それじゃぁ~、一緒に作ろうか」
透明「うん」
とにかく、先ずは空気感を変えよう
私と恵那ちゃんは、楽しそうにおままごとを続ける・・・。
少しづつではあるが、キリちゃんも和んでいるように
感じた
透明「(そろそろかな)
そういえば、お母さん」
恵那「なにキリちゃん」
透明「この前は、ごめんなさい」
恵那「えっ」
透明「キリ・・・お母さんのお仕事の邪魔しちゃって」
桐子「」
恵那「えっ・・・え~っと・・・」
透明「でも、キリは あいたたたたっ 」
恵那「」
桐子「」
透明「ごめんまた、お腹がまた、自動モードにして
おくから、続けておいて」
と、言いながらお腹を抱えて部屋を飛び出す
三文芝居の透明先生・・・
透明「(さて第二ラウンドだよ)」
恵那「・・・・・。」
桐子「・・・・・。」
恵那「(ハッいけない続けなきゃ)
キ、キリちゃん・・・どうしてお母さんの
お仕事の邪魔をしちゃったの」
桐子「あっ・・・・・・」
桐子ちゃんには、記憶があるはず
お母さんが仕事の邪魔をするなと怒っていた
ことを・・・。
桐子「・・・ご、ごめんなさい・・・・。
で、でもキリ・・・・・・・・
で、でもキリ・・・・・・・・
お母さんに笑って欲しかったんだもん 」
恵那「」
突然の大きな声に、恵那ちゃんが驚いている
チャンスだよ恵那ちゃん
恵那「・・・そっかそうだったんだ
キリちゃんは、お母さんに笑って欲しかったんだ
ごめんね、キリちゃん・・・お母さん気が付かなくて・・・」
桐子「・・・ご・・・ごめんなさい・・・」
恵那「いいのよキリちゃんが、想ったことがわかって
お母さん、嬉しいから」
桐子「えっ」
恵那「キリちゃんは、お母さんの喜ぶことが
したかったんだね
なのに、お母さん気づけなかった・・・
本当にごめんね」
桐子「そ、そんなこと・・・。」
うんちゃんと桐子ちゃんとシンクロしている
桐子ちゃんが欲しかった言葉をちゃんと選べているね
それからの恵那ちゃんは凄かった
おままごとをしながら、桐子ちゃんがしたかったこと、
感じたかったことを的確にさせてあげていっていた・・・
恵那「クスクスハンバーグの完成~っ」
桐子「かんせ~い」
恵那「それじゃぁ~、キリちゃん
一緒に食べようか」
桐子「うん」
目の前にあるおもちゃのハンバーグに向かって
手を合わせ、大きな声でいただきますをする二人
恵那「もぐもぐ」
桐子「もぐもぐ」
恵那「美味しい」
桐子「おいし~っ」
恵那「キリちゃん明日は何が食べたい」
桐子「明日は・・・・ぐすっ・・・ぐすっ」
突然桐子ちゃんの目から大粒の涙が溢れる
桐子「えっ・・・ぐすっ
あれっ・・・・ぐすっ」
あれっ・・・・ぐすっ」
戸惑う桐子ちゃん・・・。
顔は笑っているのに、涙が止まらない
桐子ちゃんにとっては、何が起こっているのか
分からないのだろう・・・。
次の瞬間
恵那ちゃんが桐子ちゃんを優しく抱きしめる・・・。
恵那「偉かったねキリちゃん」
桐子「」
恵那「キリちゃんは、ず~っとこうしてお母さんと
遊びたかったんだよね
お母さんが忙しいし、機嫌が悪いから、
我慢していたんだよね
でも、もういいのよこれからは、毎日
おままごとしようね
おままごとしようね
美味しいごはんも食べて、沢山遊ぼうね」
桐子「ううっ・・・え~~~~~~ん~~~~~~
ええ~~~~~~んごめんなさ~~~~い
ええ~~~~~~んおかあさ~~~~~ん
ごめんなさ~~~~~いえ~~~~~~ん 」
ええ~~~~~~んごめんなさ~~~~い
ええ~~~~~~んおかあさ~~~~~ん
ごめんなさ~~~~~いえ~~~~~~ん 」
恵那「キリちゃん・・・ぐすっ・・・おかえり・・・」
桐子「ええ~~~~~~んえ~~~~~~~ん 」
重たいおもちゃ箱の蓋は開かれ、大粒の涙と共に
浄化されてゆく・・・
透明「(よくやったね恵那ちゃん)」
恵那ちゃんは、子供の頃に自分が経験したことを
ちゃんと桐子ちゃんに伝えられたようだ・・・
全ての子供がそうではないかもしれない
それでも、子供はお母さんを嫌いにはなれない
お母さんが自分を疎むのは、自分が足りないから、
自分が悪いからと考えてしまう
桐子ちゃんにとって、それは自分を戒め、己を殺す
ことにつながってしまっていたのだろう・・・
自分を許すこと・・・許されること・・・
桐子ちゃんは、初めて自分のために泣くことができた
その涙は、必ず頑なな心を溶かし、強さへと変わるだろう
星が瞬く夜に、全ての悲しみを吐き出すように
小鳥の鳴き声が響いていた・・・。
小鳥の鳴き声が響いていた・・・。
続く ・・・。
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