

それから一ヶ月後・・・

私は、写経教室が開かれている日に
合わせて足を運ぶ



透明「おっ
やってる
やってる
」



鉄二「・・・・。」
沖田「・・・・。」
伊奈「・・・・。」
七子「・・・・。」
太郎「・・・・。」
園長「・・・・。」
凄い、集中してる

みんな、大分慣れてきているな

私は、そ~っと園に入って行く

透明「作治先生
作治先生
」


作治「
・・・・
」


小声で、作治さんを呼んだ私は、別の部屋へ・・・。
透明「大分、みんな写経に慣れてきたねぇ~
」

作治「ああ
おかげで、経を唱えながら書く人も

出てきたよ
」

透明「作治さんも書いてる
」

作治「もちろん
」

透明「さて、そろそろ、教えても良い頃かな
」

作治「
」

透明「作治さんの寿命を伸ばす方法
」

作治「ああ~
そう言えば
・・・・でも、もういい
」



透明「
」

作治「自分でわかったから
」

透明「悟ったみたいだね
」

作治「ま、まあ、悟ったってほど、立派なものじゃ
ないけどな
」

透明「聞かせて
」

作治「先生が、あの時言ってたことがわかった
だけだよ

諦めたらそこで終わり・・・・。
それは諦めないぞ
と、奮起することじゃなく、

自然体であの世に旅立てる準備をしながら
一生懸命生き抜くことなんだってな
」
一生懸命生き抜くことなんだってな

透明「くすっ
流石だね


人間というのは、不思議なもので、
実は、旅費が貯まっていなければ、いないほど、
貯めるための時間をもらえるようにできているんだ
貯めるための時間をもらえるようにできているんだ

それでも人は、病気や怪我などを患ってしまうと、
生きることを諦め、早く逝こうとしてしまう

それが死を感じるということなんだ

生きたい、死にたくない
という気持ちは

肌身で後悔や、やり残したことを感じていると
いうことでもある

それでも、動くことを諦めてしまう人が多いのも事実

そうなれば、時間は早く動いてしまうんだ
」

作治「なるほどな
・・・憎まれっ子が世に憚る


徳高いとされる人が早く亡くなる

それは、旅費が貯まっているか
どうかが

大きく関わっているということか

そう考えると、世界は優しいのかもしれないな
」

透明「そうだね

この世の摂理には、旅支度をさせてもらえる猶予
がちゃんとある
がちゃんとある

本当のところを言うと、あの世も全ての人が
そのことに気づき、ちゃんと修行を終えることを
望んでいるんだ・・・。
そのことに気づき、ちゃんと修行を終えることを
望んでいるんだ・・・。
それでも、そこに気づかず業を背負って帰ってきて
しまう人もいる

地獄というのは、その業を浄化するために必要な
場所でもある
場所でもある

業は、生きている内は体の表面についているから、
落としやすいのだけど、魂だけの存在となった者が、
今度は直接、業に触れてしまうと、なかなか
落とすことができないものなんだ
今度は直接、業に触れてしまうと、なかなか
落とすことができないものなんだ

だから、ものすごい時間をかけて、業を浄化し、
純粋な魂に戻してあげなければ、霊界へは入れない
純粋な魂に戻してあげなければ、霊界へは入れない

そこには、苦業とされるものが待っているけど、
それでも人は、生まれた世界に帰ろうと必死に
苦業に耐えているんだ・・・
」
それでも人は、生まれた世界に帰ろうと必死に
苦業に耐えているんだ・・・

作治「そうか・・・地獄っていうのは、そのために
あるんだな
」

透明「うん
まあ、戒めとして怖い世界の認識は
間違ってはいないのだけど、本質は、その人の為
でもあるんだ

間違ってはいないのだけど、本質は、その人の為
でもあるんだ

これも、本当は言ってはいけないことなんだけどね
」

作治「まったく、お前は

しかし、そう考えると、それも救済ということか・・・。」
透明「そうなるね

話を戻すけど、旅費を貯めるというのは、どういうことか

わかったかな
」

作治「あははっ
ここまでくれば、嫌でもわかるだろ


旅費を貯めるっていうのは、生きることだよ
」

透明「くすっ
」

作治「生きること
それは、生きていることを感じ、
ありがたいと思うことじゃないのか

ありがたいと思うことじゃないのか

生きがいや、やるべきことがあるというのは、
それを突き詰めなければ気がすまなくなるし、
生きている実感を感じることができる

そういう生き方ができることこそ、幸せで、
徳を得られる生き方なのかもしれないな
徳を得られる生き方なのかもしれないな

先生が言っていた、沢山の友達を作るというのは、
そのことを他者が教えてくれるからこその関わりで、
きっと、そういった生き方ができれば、自ずと
人の記憶にとどまることができるようになるんだと、
今は、ちゃんと理解できているよ
」

透明「うん
素晴らしい
80点
」



作治「なんだ
まだ、足りないのか
」


透明「ううん
そうじゃない


今、作治さんが感じられるようになったのは、
誰のおかげ
」
誰のおかげ

作治「そんなの、先生が
」

透明「違うよ
」

作治「
」

透明「それはね
作治さんが今まで頑張って生きてきた証が、
形になったということでしかないんだ

形になったということでしかないんだ

だから、全ては自分のおかげなんだよ
」

作治「
」

透明「作治さんが経験してきたこと
学んできたこと


そういった徳があったからこそ、今がある

それも作治さんの徳なんだ

生きている間に、徳を積むというのは、徳を使う
ことでもある
ことでもある

作治さんがご家族の為に頑張ってきた知識は、
沢山の人に分け与えられる徳にもなっているんだよ

作治さん・・・よく頑張ったね

今までの苦しみも辛さも、この時の為にあったんだよ
」

作治「
・・・・ううっ・・・・・
」


作治さんの瞳から、大粒の涙が溢れ出す

そこには、動乱の時代を必死に生きてきた人間の姿があった

次回、ファイナルです 

続く ・・・。







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