設計事務所の裏窓

夫は建築士。設計事務所をやってます。
裏から眺めた感想、日々の独り言。
不定期便で頑張ります~!

お任せタイプ

2005年07月22日 09時23分00秒 | 独り言
星の数ほど設計事務所も多いが 星の数ほどクライアントもいる。
本当に「同じ」というクライアントの方達は絶対いない。
なんて 人の数だけ個性があるのだから当たり前なのだが・・・

よく こんな商売をしていると言うと
「変なお客さんいるでしょ」なんて言われる。
設計事務所なんてサービス業的なところも多いから
しかも個人住宅なんてなると本当に長きつき合いに
なるものだから お互い最後の最後は「こういう人」と
いうのがバレバレになる。

仕事だし 一応大人同士のつき合い。
「勘弁してくれよお~~」という思いはあっても
当然 夫は顔色には出さないが(?)個人的に こういう
タイプのクライアントって一番やりにくいのじゃないかなと
思うタイプがある。物凄く勝手な個人解釈だけど
「なんでもお任せしまーす」と言う方・・・・・・
勿論 この言葉のまま 正に「お任せ」でくるタイプもいるだろう。
最初から「お任せ」言っていただけるなんて信頼関係バッチリか
或いはよほど太っ腹のクライアントの方かもしれない。

でも この「お任せ」と言うタイプ。実は「お任せ」ではなく
単に自分の中の考えからは一歩も出ない!という固い
決意を持った方達が相矛盾するようだが多い。

建物はどんな小さいものでも でき上がったものを想像するのは
素人にとって難しい。例えパースなりイメージ写真なり
模型なりがあったとしても 
「こんな感じになるんだ~~~」という驚きは結構多いものだ。
だから「お任せ」は一番怖い。
いい意味での期待破りは建築士とクライアント双方にプラスに
なるが「こんな筈じゃなかった~~~」という言葉は
絶対あってはならない。

そういう意味で
「こんな事を言ったら笑われるのじゃないか」とか
「これは おかしいか 無理なのか」とか 勝手に
腹の中に押し込めないで どんどん口に出してもらった方が
物凄く楽だと夫は言う。その為の打ち合わせであり その為の
建築士との家造りなのだからと。

それには やはり双方の信頼関係が大事となってしまう。

変な言い方だが うまく建築士を利用して 理想通りの
自分の家を造り上げているクライアントというのは
「お任せ」と「自分の考え」をうまく使い分けている。
任せるべきところは とことん信頼して任せ 自分の
考えや主張すべきところは とことん出す。

建築士とクライアントの家造りは 正にこのデコボコ加減が
うまく噛み合って いい家ができ上がるように思える。

家ってやっぱり その家族の個性の塊のようだ・・・・・・

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