設計事務所の裏窓

夫は建築士。設計事務所をやってます。
裏から眺めた感想、日々の独り言。
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順番通りに

2012年05月14日 08時41分40秒 | 独り言
先月、父が亡くなった。
3年前から骨髄性異形症候群というなんとも
長ったらしい難しい病気になっていて、
平たく言えば血液のガンのような病で
あったし、もう80近い高齢という事もあり
いつ亡くなってもおかしくない、というより
去年のあの寒い寒い冬をよく乗り切ったなあと
ある意味感心してた頃だったので、父が吐血して
救急車に運ばれ、もう意識レベルがない状態と
電話をもらった時は、正直、ああ、来たなという
感覚だけだった。
病院では、もう父はICUという重々しい病棟にいて
意識もなく ひたすら機械で命が動かされているという
状態に個人的には見えたので、ああ、もう亡くなったのだと
父を見た瞬間、なぜか落ち着いて見れたのだ。
こう書いていると 実の父がいくら高齢とはいえ
亡くなっていくというのに、なんともおかしな娘であるなあと
自分でも思うのだが、あのICUで過ごした時間
湧き上がってくる感情は
「順番通りで良かった」という感触。

娘である姉も私もすっかり中年のおばさんで、孫もそろそろ
成人の年になり、一応80近くまでの寿命を全うした父。
このICUで機械で命を繋がれている人がその父でなく
まだまだ若い人であったら、いや、最悪自分の配偶者や
子供であったらと想像してしまった。
そういう状況なら こんなに冷静でもなく考える思考力もなく
ただ狂ってしまうかもしれないとまで考えた。

やっぱり順番通りがいい。
それが父が亡くなって一ヶ月たった感想でもある。
やっぱり自分、ちょっとおかしいかなと思うけど
人はいつかは命が尽きる。
世の中、絶対なる!っていう事は少ない中
命が尽きるという事実だけは変わらない。
でも、やっぱり寿命全うして人生終わった人から
順番にいってほしい。そうならないのも事実だけど
なるべくそうしてほしい。
最近の地震、交通事故、火事等々 いろんな事件、事故が
出る度に そう思ってしまうのだ。

昨日は偶然にも母の日。
つめたーーーい我が家は恒例の如く なーーんにもない。
思えば母の誕生日ですら あのつめたーーい息子どもは
わかってない。でも、毎回そんな事はどうでもいいとさえ
思ってしまう。コテコテの親子仲良しごっこはいらない。
冷たい、冷めているでも結構。
ただ絶対に親である自分より生きる事。
それが最大の親孝行。
普通に行ってきます、ただいまの出来る生活。
それだけを送れる事。健康体の彼らの生活見届けて
こっちが先に命を全うする。
それが今の自分の究極の望みなのかもしれない。

父とは濃厚な父子関係であった訳でもなく
これといって教えをもらった覚えもないが
順番通りにいく大切さは、父の死でよりヒシヒシと
伝わった気がするのだ。

そういう意味では、最後の最後に父から教わった事に
なるのかもしれない。。




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