設計事務所の裏窓

夫は建築士。設計事務所をやってます。
裏から眺めた感想、日々の独り言。
不定期便で頑張ります~!

残りもん

2005年08月16日 09時31分00秒 | 独り言
子供達がいる夏休みになると 昼のご飯は
やたらと麺類が多くなる。
素麺 冷や麦 冷やし中華に蕎麦にうどん
ちょっと変わりだねでスパゲティと・・・・・

麺類だけでは とりあえず栄養不足かと
とりあえず(本当にとりあず)サラダとか昨日の
残り物おかずがくっつくのだが 生意気にも
「また残り物だよ」なんて兄弟同士囁き合ったりしてる。
文句言うなら自分でやれ~~というところだが
昼間仕事の用がない時以外は我が家で昼を摂る
夫までもが
「我慢しないさい。おとーさんも我慢してるのだから」
なんてくだらぬフォローをしている・・・・

「食べる」という行為は心理的に重要な働きをしていると聞くが
ほとほと 家族のいる日の「食べる事」というのは面倒である。

以前 テレビで御菓子しか絶対食べないという若い
一人暮らしの女の子の一日を追ってたけど さすがに
最後には見てるだけの自分の舌がお茶漬けなんか食べたく
なってしまったほどだ。

朝から まずスナック菓子を一袋。午前中に小腹が空くと
チョコからせんべいからひっきりなしに口に入れる。
でも入れてるものは ひたすら菓子類。
これだけカロリーだけ摂ってと思うけど その女子のは
驚くほど痩せている。

テレビ番組が内科の医者に連れていき 血液検査やら骨密度
やらの精密検査をすると 驚くほどの悪い数値が出てくる。
これにはショックの女の子だが 御菓子食べの習慣は治らない。
そこで今度は心療内科へと連れていく。そこで女の子は
両親が共働きで手作りの料理というのは学校の給食しか
知らないという過去が出てきたのだ。

御菓子をひたすら食べて口を動かすという行為は 単に
食欲を満たすだけでなく 彼女の内面の寂しさや虚しさを
満たす為だったという。

なんだか悲しくなった。
御菓子ばっかりなんてと 単に今風の訳のわからない女の子と
思ってテレビを見ていたが「食べる」という行為に
その人のいろいろな内面が隠れていると知って
一人ぽっちで暗い誰もいない部屋の中で 無心に
御菓子を口に入れる女の子を想像すると なんともいえない
嫌な感情が湧き出てきた。

でも だからといって 何も心入れ替え しゃかりきに
家族の為に料理を頑張る母でもないので 我が家の
食卓は以前のまま 
「ゲー また残りもんがー」
なんていうセリフの出る食卓。わかっちゃいるけどさ~
とりあえず造ってるし 皆で食べてるしとか勝手に
解釈してフタ閉めてる状態。

今に食卓には家族4人が3人となり そのうち2人となり
必然的に 夫婦どっちか一人となるだろう。

ただ「食べる」という行為だけなら 確かに味も
わからなくてもいいから それ相当の栄養価の粒を
毎食 一人で呑込んで生きていくという未来もあり得るかも
しれない。今より科学がより発展すれば そんな食材
開発されそうである。

でも息子が成人してもっともっと年とっても 家族で
文句言いながらも 怒られながらも 皆で共通の
食材をつっつくという光景はなくならないように
思える。

周りがどんどん進んだ世界になっても ただ「食べる」
という行為に様々な心因性が出てしまう人間だから
この中身を持っている限り 変わらない食事のような
気がする。

当分は 我が家も「残りもんがー」のセリフを
聞く事となりそうである・・・・