設計事務所の裏窓

夫は建築士。設計事務所をやってます。
裏から眺めた感想、日々の独り言。
不定期便で頑張ります~!

証拠

2005年06月21日 15時28分00秒 | 独り言
親の人生に「価値」16% 05年版青少年白書 (共同通信) - goo ニュース

親の背中を見ながら子は育つというが 今の子供達は
親のどういう背中を見て 育っているのだろうか。

満員電車に揺られ 人間関係と仕事に疲れきった背中なのだろうか。
それとも せき立てられるように焦りまくるセカセカとした
背中だろうか。

親の人生に対して「生きがいがある」と感じてくれたのは
たったの6人に一人という結果。
一人いただけでも良かったというべきか・・・悲しいと
いうべきか・・・・

ニートという若者が急上昇する今 親の中では
「どんな仕事でもいいからしてほしい」という気持ちと
子供側からは
「自分に合った仕事じゃなければ働かない」
という気持ちのズレがあるという。
違った見方をすれば「合った仕事」を探せる余裕があるという事だ。
何が何でも 職種云々より まず働かなくては!という
切羽詰まったものをニート族からは感じられない。
それだけ豊かという証拠なのか はたまた親自身も自分たちが
胸を張って「こんな仕事してるんだ!」そんな意気込みを
見せられない後ろめたさが多いのか・・・・

自分の希望する仕事が生活出来るだけの資金を稼げるものになる。
これは 案外簡単そうで難しい。
それだけ多くの人達が自分に 合っているのか 合ってないのか
わからないまま 何となく生活の為に働いているのではないだろうか。
確かに何か自分の好きな事 或いは特技を生かして天職として
いる幸運な人達も一杯いる。
本当は皆が皆 そんな人生ならば こんな青年白書の結果は
出なかっただろう。

我が家は 親の背中をどう感じどう思ってるのだろう。
ふと不安にもなる。

幸運な事なのか 何なのか 我が家は父の職場が近い。
自宅から数分のところに夫の設計事務所があるので
子供は 何か用がある度 ひょこひょこと行く事になる。
勿論 打ち合わせ等で誰かが来ている時は絶対行かないが
それでも知らない人が見たら けったいな設計事務所である。
打ち合わせのテーブルで小学生の子供が宿題をしていたりと・・・
まあ、これは母である自分にどうしても用があり 子供も
まだまだ小さい低学年の頃であったが・・・・

とりあえず自分の目から見れば夫は 建築を志し それに沿った
学校へと進み 今は曲がりなりにも建築の絡んだ仕事をしている。
なんとも羨ましい。でも本人は こんな筈じゃあなかった・・・
そればかりだ。そんなような現実らしい・・・
だから やっぱり天職!と胸を張って言い切れる人達は
本当に幸運で数少ないのだろう。

幸運は運もあるが やはり本人の力もある。
息子達には どんな仕事でもいい。
「楽しい!やりがいがある!」
そう言える事が 生活の糧になってくれたらと毎度思う。
そしてそんな運を掴む力を付けて欲しいとも思う。

さて 違った意味で父の職場を目の当たりに出来る幸運な(?)
息子達だが一体 どんな背中を自分たち親から見ているのだろうか。

「建築関係の仕事は絶対やらない方がいい。
 特に設計なんて仕事・・・・・」
なんていう言葉が 聞こえてきそうな気もする・・・
それには 内心 こっちも頷いてしまったりして・・・

何とも背中に自信のない親である・・・・