設計事務所の裏窓

夫は建築士。設計事務所をやってます。
裏から眺めた感想、日々の独り言。
不定期便で頑張ります~!

一番の安心感

2004年09月23日 22時00分08秒 | 独り言
「家族が大好き!家が大好き!」で育った記憶はないが
それでも 小さいころは なんだか家に帰ると
「ホッとする」という記憶は鮮明に覚えている。
中学生位になって 部活動などで帰宅が遅くなり
とっぷりと暮れた夕暮れ時に 家の台所からの小さな灯が
ポッと漏れているのを見ると 急に今まで ちょっと緊張して
ちょっと早足に急いでいた帰宅の足を 安心して緩めた記憶もある。

だから ごく たま~に いつも家にいる筈の祖母が用事で
いなかったりすると 誰もいない家は 真っ黒で巨大な口を
開けたお化けのように 感じられた。
誰もいない家というのは なんだか妙な空気だ。

今は この妙な空気の一番乗りを 結構 自分が開けざるを得ない。
誰もいない家に帰るのは こんな大人になっても ちょっと苦手だ。

元来 怖がりだし小心者ゆえ 今は帰宅するや 家中の窓という窓
扉という扉をバタバタ開けないと 落ち着かない。
それに こんな御時世 防犯も考え出すと 落ち着かない。
そんな気持ちは 家造りをされている方々も同じらしく
防犯面の話しは 結構打ちあわせで出てくる事も・・・

以前 ある お施主さんが「雨戸を どうしても 付けたい」
という話しになった。
雨戸というと私なんかは つい スルスルと滑るような開閉の
イメージでなく 木で重苦しく 途中で「エイ!やあ!」と
掛け声をかけながら 引きだすというイメージで・・・・・

でも出来上がった家には そんなイメージの物はなく・・・
確かに雨戸はあったが 内側であった・・・・そう、窓ガラスの・・・
しかも スルスルっと 片手でも簡単に壁に引き込む感じで
使用しない昼間は 全く見えなかった。

「ほお~~~」
バカみたいに お施主さんと初めて見る「内雨戸」なるものに
感心していた。専門屋(夫)の話しでは 珍しいものでもないと
いうのだが・・・・・やっぱり 家造りは どうにでも工夫が
出来ると 改めて面白いなあ~と実感・・・

雨戸に限らず 家の防犯面を考えたら 物凄い工夫が
出来上がるのだろう。     
でも 自分にとって 小さな頃に記憶している一番の安心感は
帰宅した時に見た 自分の家からの小さな漏れる灯と 
そこに誰かがいるという安心感だった。

だからという訳ではないが
「子供が帰宅した時には いてあげなくてはねえ」
この言い訳をしながら ぐうたらと専業主婦の座に
今日も居座っている・・