カンヌ受賞でもネトウヨは是枝裕和監督と『万引き家族』が大嫌い! 安倍首相は無視、百田尚樹と高須克弥はバッシング http://lite-ra.com/2018/06/post-4050.html
第71回カンヌ国際映画祭で最高賞となるパルムドールを受賞し、世界中から称賛を集めている是枝裕和監督『万引き家族』。だが、この快挙に、ふだん「日本スゴイ」話が大好物の人たちが、いつもとまったく違う反応を見せている。
その筆頭が総理大臣の安倍晋三だ。是枝監督の受賞は日本人監督としては今村昌平監督『うなぎ』以来21年ぶりなのだから、普通なら何かコメントを出しそうなものだが、一切無視。フランスの「フィガロ」紙にも「日本人が国際的な賞を受賞したら必ず賛辞を送るはずの安倍首相が沈黙を保ったまま」と皮肉られる始末だった。
これはもちろん、安倍首相が『スターウォーズ』シリーズと山崎貴監督の映画にしか興味がないからではなく、是枝監督が安倍政権の姿勢を何度か批判しているからだろう。
まったくその狭量さには呆れるが、もっと頭を抱えたくなるのが、その安倍首相の応援団、ネトウヨたちの反応だ。彼らは無視どころか、カンヌ受賞が決まるや、監督や受賞作『万引き家族』に対して一斉に攻撃を始めたのである。
たとえば、百田尚樹氏はDHCテレビが製作する『真相深入り!虎ノ門ニュース』(5月22日放送分)にて、番組の放送が終了する直前、無理やりねじ込むようにして、このようにまくしたてた。
「あとひとつだけ言いたい。是枝監督がね、映画撮って、カンヌ取りましたけど、なんか、向こうで言うたらしいね、日本はアジアに謝らなアカンとかってね。何を言うとんねん。外国にまでしょうもないことを言いに行くな、ホンマにね。村上春樹かホンマ、腹立つ。映画と関係ないやないか」
たしかに、是枝監督は「共同体文化が崩壊して家族が崩壊している。多様性を受け入れるほど成熟しておらず、ますます地域主義に傾倒していって、残ったのは国粋主義だけだった。日本が歴史を認めない根っこがここにある。アジア近隣諸国に申し訳ない気持ちだ。日本もドイツのように謝らなければならない。だが、同じ政権がずっと執権することによって私たちは多くの希望を失っている」と語り、日本社会の保守化や、それにともなって巻き起こった歴史修正主義の動きに対して警鐘を鳴らしていた。
しかし、これのどこが「しょうもないこと」なのか。今の日本で共同体文化の裏打ちのないペラペラの国粋主義しかが残っていないことは、百田氏たちネトウヨの跋扈とグロテスクな発言が証明しているではないか。
しかも、この発言があったのは、2018年5月17日付中央日報に掲載されたインタビューで、パルムドールを受賞したカンヌ国際映画祭の壇上でのスピーチではない。ちなみに、パルムドールを受賞した壇上で是枝監督は、「映画」という芸術が、国際平和や、価値観の違う人々の相互理解をもたらしてくれる一助となることを願った、このようなスピーチを行っている。
「さすがに足が震えます。とてもこの場にいられることが幸せです。そしてこの映画祭にいつも参加させて頂いて思いますが、映画を作り続けていく勇気をもらえます。そして、対立している人と人、隔てられている世界を映画が繋ぐ力を持つのではないかと希望を感じます。頂いたその勇気と希望をまずは一足先に日本にもどったスタッフとキャストに分かち合いたいです。作品が選ばれたにも関わらずここに参加できなかった人たちとも分かち合いたいですし、これから映画を作りここを目指す若い映画の作り手たちとも分かち合いたいと思います。ありがとうございます」(映画『万引き家族』公式ツイッターより)
この言葉を百田氏がどう受け止めるのか、聞いてみたいものだが、バッシングしていたのは百田氏だけではない。
ツイッターでは、『万引き家族』という作品に対して、ネトウヨと思しき連中から「日本人は万引きで生計を立てたりしない」「変なイメージを外国に植え付けるな」「万引きのやり方を教えるなんて犯罪教唆だ。R指定にしろ」「『万引き家族』のカンヌ受賞は世界に恥をさらすものだ」といった内容の批判が多数投稿された。
〈日本人は子供に万引きなど教えません。万引きしたらこっぴどく叱ります〉
〈万引き家族みたいな家族が現実に日本にいる、いられるみたいなのが拡散されているようで、実はとっても嫌です。カンヌに行くことが、反日にすら感じてます〉
その典型が、高須クリニック院長の高須克弥氏によるこのツイートだろう。
〈万引き家族で日本人のイメージを作られるのは嫌です。日本人は勤勉で正直で礼儀正しいです〉
彼らはこれまで、多くの映画が社会や人間が抱えている負の部分を表現し、高い評価を得てきたことを知らないのか。それとも、『永遠のゼロ』や日本会議オススメの『海難1890』みたいな国策映画もどきだけが映画だと思っているのか。
こぴーはここまで。続きは上記URLに入ってお読みください。
第71回カンヌ国際映画祭で最高賞となるパルムドールを受賞し、世界中から称賛を集めている是枝裕和監督『万引き家族』。だが、この快挙に、ふだん「日本スゴイ」話が大好物の人たちが、いつもとまったく違う反応を見せている。
その筆頭が総理大臣の安倍晋三だ。是枝監督の受賞は日本人監督としては今村昌平監督『うなぎ』以来21年ぶりなのだから、普通なら何かコメントを出しそうなものだが、一切無視。フランスの「フィガロ」紙にも「日本人が国際的な賞を受賞したら必ず賛辞を送るはずの安倍首相が沈黙を保ったまま」と皮肉られる始末だった。
これはもちろん、安倍首相が『スターウォーズ』シリーズと山崎貴監督の映画にしか興味がないからではなく、是枝監督が安倍政権の姿勢を何度か批判しているからだろう。
まったくその狭量さには呆れるが、もっと頭を抱えたくなるのが、その安倍首相の応援団、ネトウヨたちの反応だ。彼らは無視どころか、カンヌ受賞が決まるや、監督や受賞作『万引き家族』に対して一斉に攻撃を始めたのである。
たとえば、百田尚樹氏はDHCテレビが製作する『真相深入り!虎ノ門ニュース』(5月22日放送分)にて、番組の放送が終了する直前、無理やりねじ込むようにして、このようにまくしたてた。
「あとひとつだけ言いたい。是枝監督がね、映画撮って、カンヌ取りましたけど、なんか、向こうで言うたらしいね、日本はアジアに謝らなアカンとかってね。何を言うとんねん。外国にまでしょうもないことを言いに行くな、ホンマにね。村上春樹かホンマ、腹立つ。映画と関係ないやないか」
たしかに、是枝監督は「共同体文化が崩壊して家族が崩壊している。多様性を受け入れるほど成熟しておらず、ますます地域主義に傾倒していって、残ったのは国粋主義だけだった。日本が歴史を認めない根っこがここにある。アジア近隣諸国に申し訳ない気持ちだ。日本もドイツのように謝らなければならない。だが、同じ政権がずっと執権することによって私たちは多くの希望を失っている」と語り、日本社会の保守化や、それにともなって巻き起こった歴史修正主義の動きに対して警鐘を鳴らしていた。
しかし、これのどこが「しょうもないこと」なのか。今の日本で共同体文化の裏打ちのないペラペラの国粋主義しかが残っていないことは、百田氏たちネトウヨの跋扈とグロテスクな発言が証明しているではないか。
しかも、この発言があったのは、2018年5月17日付中央日報に掲載されたインタビューで、パルムドールを受賞したカンヌ国際映画祭の壇上でのスピーチではない。ちなみに、パルムドールを受賞した壇上で是枝監督は、「映画」という芸術が、国際平和や、価値観の違う人々の相互理解をもたらしてくれる一助となることを願った、このようなスピーチを行っている。
「さすがに足が震えます。とてもこの場にいられることが幸せです。そしてこの映画祭にいつも参加させて頂いて思いますが、映画を作り続けていく勇気をもらえます。そして、対立している人と人、隔てられている世界を映画が繋ぐ力を持つのではないかと希望を感じます。頂いたその勇気と希望をまずは一足先に日本にもどったスタッフとキャストに分かち合いたいです。作品が選ばれたにも関わらずここに参加できなかった人たちとも分かち合いたいですし、これから映画を作りここを目指す若い映画の作り手たちとも分かち合いたいと思います。ありがとうございます」(映画『万引き家族』公式ツイッターより)
この言葉を百田氏がどう受け止めるのか、聞いてみたいものだが、バッシングしていたのは百田氏だけではない。
ツイッターでは、『万引き家族』という作品に対して、ネトウヨと思しき連中から「日本人は万引きで生計を立てたりしない」「変なイメージを外国に植え付けるな」「万引きのやり方を教えるなんて犯罪教唆だ。R指定にしろ」「『万引き家族』のカンヌ受賞は世界に恥をさらすものだ」といった内容の批判が多数投稿された。
〈日本人は子供に万引きなど教えません。万引きしたらこっぴどく叱ります〉
〈万引き家族みたいな家族が現実に日本にいる、いられるみたいなのが拡散されているようで、実はとっても嫌です。カンヌに行くことが、反日にすら感じてます〉
その典型が、高須クリニック院長の高須克弥氏によるこのツイートだろう。
〈万引き家族で日本人のイメージを作られるのは嫌です。日本人は勤勉で正直で礼儀正しいです〉
彼らはこれまで、多くの映画が社会や人間が抱えている負の部分を表現し、高い評価を得てきたことを知らないのか。それとも、『永遠のゼロ』や日本会議オススメの『海難1890』みたいな国策映画もどきだけが映画だと思っているのか。
こぴーはここまで。続きは上記URLに入ってお読みください。