そのころ、世に数まへられぬ古教授ありけり。

この翁 行方定めず ふらふらと 右へ左へ 往きつ戻りつ

5月21日(土)学会でいささか疲れる

2016年05月21日 | 公開

  今日は暑くなるというので、シートベルトで作られた蝶ネクタイを着用し、パナマ帽を被って家を出た。なかむかし文学会の大会なので、変な格好もできまいと思ったが、変な格好だったかもしれない。

  まずは永青文庫を目指す。トラムの終点で降り、川沿いに歩いて、急な坂道を登る。観たかったのは俊成定家両筆懐紙で、明日まで展観されると聞き、慌てて行った。もちろんモノキュラーを持参する。しかし、こりゃ「懐紙」なんだろうか? 体裁は「詠草」に間違いないんだけどなあ。なお、山崎桂子さんの詳しい論文がある。

  幅は4階に出ていた。私もこれの関連資料について、論文を発表したことがある。「/たゝそらしらすしてや候へからむ」のところ、「そこしらす」と読む説もあるけれども、こりゃどう見ても「ら」だよなあと、改めて確認した。「そらしらず」なら「すっとぼけて」という意味になる。文としてもそちらの方が自然だろう。

  さて、鶴巻町の某ビルに移動、「ひきだし市2」というのを覗く。一番乗りだった。在来野菜をいろいろ並べておいでになったので、むらむらと調理意欲が湧く。珍しいものを片っ端からいただくことにする。まず「かりもり」という瓜に、エリンギの原種(とっとき1号)、それから越前白茎牛蒡、山独活の葉、ミズという山菜・・・。しかし、野菜を下げて学会へ行くことになるとは・・・。

  昼食は「汐見」へ。これから学会なのに、ついついビールを飲んじゃった。鱧の天麩羅が、実に美味でありましたわ。

  さて、なかむかし文学会の展観を覗き、シンポジウム会場へ赴き早めに受付をして、一番後ろの席に座った。たいへんな盛況にて、用意された資料が払底だそうである。こりゃトイレが大変だなと思ったが、この国際会議場は勝手知ったるお手のもので、貴賓室のトイレを躊躇無く使ってやった。

  シンポジウム自体は、聞いたような話ばかりで、正直、まったく面白くなかった。なかむかし文学会に参加して、勉強になったことは正直、今までに一度も無い。

  懇親会は近くの高級ホテルにて、会費9000円は、やっぱり高い。研究発表者スピーチの最後のW氏も、そのことについて苦言を呈しておられた。もしも私が幹事役なら3000円でやったけどな(事実、1月のおうた文学会の新年会は、3000円会費で喜ばれた)。なかつよ文学会は、同じ会場で大会を開いて、たしか4000円会費だった。

  万劫大学のN氏と、2次会へ行く。「鷹ばん」に電話したら入れるというので赴けば、結構混んでおった。女将が独りできりもしりておられるので、ちゃちゃっと飲んで仕舞いとする。バカ田大学は二流大学だということを自覚すべきだ~と、怪気炎をあげてカタルシスといたしましたとさ、ぽん。

  なんだか疲れ果てた。明日はA君の研究発表だ。  


最新の画像もっと見る

コメントを投稿