そのころ、世に数まへられぬ古教授ありけり。

この翁 行方定めず ふらふらと 右へ左へ 往きつ戻りつ

5月23日(月)教授冥利とは

2016年05月23日 | 公開

  朝いち演習は、実にちんたら進めている。注釈の書き方というテーマで、やっと整定本文から現代語訳のところまで来た。学部2年生だから、本文校訂をさせるのは端折って、しかし、本文を整定するまでにはかくかくのプロセスがあるということは、ちゃんと教えた。新編国歌大観のとあるテキストの一部を、全部平仮名書きに直して、受講生全員、別々の和歌を配布してある。配った本文はすでに処理済なわけで、つまり料理を作るのに、プロは食材をもとめて来て、下処理から何からすべてできなければならないが、今配ったのは、既に下処理済の食材と思ったらいいですと説明すると、大きく頷く学生がいた。

  和歌の解釈について、世間で習うことは、多くが間違っていると切り出し、包丁を入れる順序は、(1)句に分ける、(2)句切れを探す、(3)絶対に上から下へ解釈する・・・の3つで、ダメなのが、この歌はぶっちゃけ何を言っている・・・という理解であると、口を酸っぱくして言う。和歌披講の説明も何度も繰り返したが、それは、和歌がほんらい音声享受されたものだということを、徹底的に覚えて欲しいからである。全員に講師の読み上げをさせたが、すぐに出来るようになった。

  続くふるほん講義は、資料展観を観に行く。移動時間を見て、11:00に現地集合とし、見どころを示して自由参観としたが、きっちり1時間かかった。欠席者ゼロ。レビューシートの課題を出してある。

  昼食はそのまま「すゞ金」へ。次のS学部の講義は14:45からなので、もちろんビールをお願いしたら、肝の佃煮をサーヴィスしてくださった。あな、嬉しや。

  見れば、カウンター内、カレンダーのところに、拙句「重の蓋 開けて莞爾と 秋鰻(有若亡)」の短冊が掛けられていた。舟木さん、わざわざ焼き場から出てみえて、「先生、本日は〈重の蓋 開けて吃驚 夏鰻〉ですか?」と挨拶を言われる。嬉しいなあ。行きつけのお店で、こういうやりとりができるのは、常連客の冥利といふべしよ。

    たのしみは 講義終はりて 昼ひなか ビール鰻重 食うて酔ふとき 

  さて、S学部の講義は、音源資料を披露したが、一部うまく行かずまいった。別キャンパスの、大きな教室で、どうも使い勝手が悪い。

  買い物に日本橋方面へと廻りたい気もしたけれども、財布を入れて掛けているポシェット?の紐が悪くなったので、自宅最寄り駅のひと駅先のユザワヤへ行って新しいのを見繕ってきた。駅併設の売店を覗くと、ワレット豆やら蕗やら、紀州の青実山椒などが売れているので、思わず買い込んでしまいましたとさ。


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