湘南徒然草

湘南に生まれ、育ち、この土地を愛し、家庭を持ち、子育てに追われ、重税に耐える一人の男の呟き。

新婚生活ー中村屋のインドカリー29

2007-06-22 15:05:07 | Weblog
ボースと俊子の新婚生活は、芝の愛宕山下の家で始まりました

しかし、ここにはすぐに追っ手が忍び寄って来たため
一旦、葛生能久の家に匿われたた後、青山南町へ移りました
しかし、そこも2ヶ月余り暮らしただけで、青山高樹町へ移りました

これらの家はどこも、崖下の湿地や高い塀に囲まれた日光の入らない場所で
ひっそりと身を潜める窮屈な生活が続くのでした

こうした生活に耐えられたのは、俊子が忍耐力が強く
感情のコントロールの出来る、芯の強い女性だったからです

俊子は豊かな感情の持ち主でしたが
滅多にそれを表に出すことはありませんでした
こうした俊子の性格は、ボースに別の懸念を生じさせました

「俊子は本当に自分を愛しているのだろうか?」

二人が千葉の海岸の家で、密かに静養しているとき
ボースの不安が爆発してしまいました
そして、とんでもないことを口走ってしまいます

「私を本当に愛しているのですか?」

「それなら私の目の前で死ぬことができますか?」

目にいっぱい涙をためた俊子は、真剣な顔になり
海に向って走りだしました

ボースはあわてて、俊子を抱きしめると
自分の失言を詫びました
そして、以後二度と、この様なことは無かったといいます

こんなことがあって、二人は傍目にも仲睦まじい夫婦となっていきました
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