湘南徒然草

湘南に生まれ、育ち、この土地を愛し、家庭を持ち、子育てに追われ、重税に耐える一人の男の呟き。

政治家と経済人・・・カレルギーの思想10

2009-09-27 18:58:54 | Weblog
カレルギーとハイエクの違いは
ハイエクがあくまでも経済学者として
経済理論的な正しさにこだわるのに対し
カレルギーは、人間の全体としての自由にこだわるため
経済システムなどは、人間にとって都合の良いものを
その都度、事情に合わせて使えばよいと考える点にあります

国家による統制経済に対する考え方が
カレルギーとハイエクではくっきり違います
それはまさに、人間全体から経済を見るカレルギーと
経済から人間社会を見るハイエクの違いなのです

ただし、カレルギーは経済を軽視してはいませんでした
ある時期からは、政治家よりも経済人の方が
ヨーロッパ統合運動に対しても、期待できると考えていたようです

カレルギーが、政治指導者を通じて紹介された経済界の指導者達は
政界の指導者たちよりも、実際的であり、行動的でした

カレルギーが、フランス外相アリスティド・ブリアンに
フランスにおけるパン・ヨーロッパ委員会の人選を頼んだとき
ブリアンが委員長に指名したのはルイ・ルシュールでした
経済界の指導者にして政治家でした
他の人物を想定していたカレルギーは意外でした

カレルギーは、ルシュールとともに
フランスのパン・ヨーロッパ委員会を
すべての政党指導者、元大臣、元首相、元大使・・・
学者、芸術家、ジャーナリスト・・・から結成しました
そして、ルシュールは言いました

私達は良い委員会を作った
もっと名前を連ねようとすれば、それもできる
しかし、この委員会の力でパン・ヨーロッパが作れると思ってはいけない
この委員会の委員連中は、1年に1回の総会に出席するか、欠席する
それ以外には、パン・ヨーロッパのためには、何もしない
もし貴方が真に
パン・ヨーロッパの味方に、フランスを引き入れようと思うなら
経済指導者からの援助が必要です


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