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東京と大阪に集中するホームレス

2008年05月15日 | 住まいの貧困に取り組むネットワーク
■東京と大阪に集中するワケ

 ホームレスは全国的に減少傾向にあるが、やっぱり「住むなら都」の実態が明らかになった。厚生労働省が発表した「ホームレスの実態に関する全国調査」によると、今年1月時点で全国のホームレスは前年調査より13.7%減の1万6018人。最も多かったのが大阪の4333人で、最少は青森県の2人だった。大阪と2位の東京を合わせると8129人と全体の半数以上を占め、大都会のホームレス天国ぶりが改めて浮き彫りになった。

 「ええとこや。よそに移る気はないな」

 大阪最大の簡易宿泊所が並ぶ「あいりん地区」(大阪市西成区)に暮らして20年になるという男性(62)は「物価が安い。300円ぐらいで定食が食えるし、缶ジュースは50円。ボランティアや教会の炊き出しが1年365日必ずあるから食いっぱぐれがない。他のとこやとメシ食えるかわからへんもん」と大阪・釜ケ崎に定住する理由を語る。

 都会にはアルミ缶回収や新古雑誌売りなどいわゆる「都市雑業」が多く、コンビニなどの廃品食品も豊富だ。都の調査によると、ホームレス状態になってから東京に流入した人は全体の38.8%と、東京のホームレス天国ぶりは数字にも表れている。

 前年比で一番減ったのも東京都。都は2000年1月から区と共同で自立支援システムを始めた。04年から始めた通称・“3000円アパート事業”は、公園や河川にテントを張るホームレスに1カ月の家賃3000円でアパートへ2年間移ってもらい、その間に就労自立を目指している。東京都福祉保険局生活福祉部生活支援課の調査では、今年1月末時点で1854人が移行した。

 しかし、自立生活サポートセンターの湯浅誠代表は行政の努力を認めながらも、「確かにテントの数は減ったが、人数の減りをどこまで反映しているかは微妙。半分は公園からの追い出しで、本人たちは望んでいないケースも多く、強制と説得の間の状況。2年で自立しろといっても難しい」と話す。

 日雇い労働者が集まる東京都荒川区の山谷地区。高橋重昭さん(65)は現在、都が提供する月額3000円のアパートに暮らしているが1年後には期限が切れる。「生活保護を受ければ死ぬまでいられるけど断った。電車の音がうるさいからよそに替えて欲しかったんだけどダメだったから。そりゃ不安だけど、路上は気楽」と1年後にはまた、長年住み慣れた路上生活に戻るという。

 最も少なかった青森県では道路で1人、その他の施設で1人が確認された。県社会福祉士会の田中志子さん(34)は「真冬の青森で行われた調査で、数字が実態をどれくらい反映しているかはわからない。青森では都会とは違い仲間を持たずに生活しているホームレスが多く、テントを張るわけにもいかない。中には(眠らないように)ずっと歩いて夜を明かし、日中は暖かい公共施設で仮眠をとるという方もいます」と北国のホームレスの厳しさを説明。人数が少ないため、支援に入り込めない難しさもあるという。(産経ニュース4月17日より)

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