東京多摩借地借家人組合

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組合が地上げ屋を撃退させる

2011年08月01日 | 明渡しと地上げ問題
 北区東十条の組合員である藤山さんと山下さんは、同じ地主と借地契約を結び各々結婚以来50数年、この地で生活してきた。1年以上前に突然関西の不動産業者(地上げ屋)が来て、地主より委任を受けたとのことで土地の明渡しを要求してきた。

 両人は組合へ全て依頼をしているという事で明渡しを拒否。その後業者は組合と話し合いを数回行い、明渡しの条件を提示。条件は①マンションに建替えるので完成後各々好きな部屋で一生生活してほしい。②それが不満であるという事であれば底地を買い上げたいというもの。組合としては両人とも高齢で住み慣れた場所を離れるわけにいかない。これ以上無駄な営業活動をしても無意味であると通告し、話し合いを終了させた。


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更新料・敷引の最高裁判決で 全借連が抗議声明

2011年08月01日 | 最高裁と判例集
 全国借地借家人組合連合会(河岸清吉会長)は、7月15日の更新料特約及び7月12日の敷引特約(原状回復費用として一定額を敷金から差引く)の判決(敷引特約は本年3月にも同様な判決が下されている)に対して7月27日付で以下の抗議声明を竹最高裁判所長官宛に送りました。


   更新料・敷引特約に関する最高裁判決に抗議する

 賃貸住宅の契約更新時に支払う「更新料の特約」及び入居時に預けた保証金を退去時に一定額を差し引いて返還する「敷引特約」に関し、最高裁は今年7月、「信義則に反し借りての利益を一方的に害するものとはいえない」と、両特約は有効との判決を下した。賃貸住宅の借主団体である当会は、以下の通り最高裁判決に抗議する。
1、賃貸借契約の更新料は、住宅難の時代に「契約を更新したければお礼を払え」とばかりに、借主の弱みに付け込んで請求したのが始まりで、そもそも法的な根拠の不明な金銭が授受されている。旧借地法・旧借家法、及び借地借家法では、賃貸借契約の更新時に貸主には明渡しを求める「正当事由」がなければ、契約の更新を拒絶することはできないことになっている。賃貸借契約の更新料を支払わなくても、契約は「法定更新」ができることになっている。今回の判決では、更新料を支払わなければ契約の更新を認めないというもので、借主を保護する借地借家法の根幹を揺るがすものであり、断じて許されない。非正規雇用の勤労者や低所得者の多くは借家住まいであり、毎月の家賃を支払うのが精一杯で、更新料を支払う余裕がないのが実態である。今回の判決によって、特約で約束した更新料を支払えない借主は、住み続けることすら困難になるなど借主保護に逆行した判決である。

2、最高裁判決では「高過ぎなければ有効」と、家賃の3・5倍の敷引特約や1年契約で2ヶ月分余りの更新料特約も「高過ぎるとはいえない」と判断したが、借主の事情を全く知らないか「契約したのだから払うのが当然」という、消費者保護の精神をかなぐり捨てた事業者である貸主擁護の判決といわざるを得ない。
空室が多くなり、「借主=弱者」ではなくなったのでないかとする見方があるが、現在は、貸主の多くが賃貸建物の管理を不動産会社に委託し、サブリース契約で不動産会社が貸主になっている事例が増えている。不動産会社は、貸主がお客であり、借主は事業収益の拡大の対象としか見てない。不動産会社の賃貸借契約はお客である貸主に有利な契約書を作成し、更新料や敷引特約が横行する大きな理由になっている。プロである不動産業者と賃貸借契約の知識や法律知識の乏しい借主とでは、情報力・交渉力でも大きな格差があり、不動産会社に更新料のない物件を紹介してもらうことはほとんど不可能である。インターネットなどでは賃貸借契約の詳細な条件の情報は掲載されておらず、正確な情報を事前に知ることは困難である。

3、更新料の性質について「賃料の補充ないし前払、賃貸借契約を継続するための対価等の趣旨を含む複合的性質を有するもの」と解しているが、意味不明な説明で到底理解できるものではない。不動産会社や管理会社が、契約更新料の中から一定額を更新の報酬として受け取っているのが実態である。従って、これまで不動産会社が更新料や敷引について明確な説明ができなかったのは、法的に根拠のない金銭を徴収するために、意味不明にしてきたのである。
 更新料は「事実たる慣習ではなく」、関東や京都などごく一部の地域的だけに限定されている。今回の不当判決によって、従来更新料特約の慣例のない地域へも波及することが十分考えられ、賃貸借をめぐる紛争が激化する恐れがある。更新料の特約のない契約では、更新料の支払い義務はなく、更新料を請求できない。特約で借主をしばり、強引に徴収してきたのが更新料であり敷引契約である。仮に、更新料の特約がある契約は、更新料の特約がない契約と比べ、家賃が割安であるという事実があるというのであれば、賃料補充の説明がつくかもしれないが、そのような実態はなく、更新料の有り無しで家賃の額に差があるという根拠もない。更新料が前家賃であるならば、契約の途中で借主が解約したならば、更新料を経過日数で返還する規定を設ける必要があるが、不動産会社は更新後1ヶ月後に解約しても更新料を返還したことはなく、賃料補充とする根拠はなく、判決は「複合的性質」と苦しまぎれな説明をしているのにすぎない。

4、借主は賃貸建物を使用収益する対価として「賃料」を支払っている。貸主は、礼金・更新料・敷引契約などによって、説明することができない、根拠の不明な金銭を請求すべきではない。世界的にも更新料など意味不明な一時金を徴収しているのは日本だけであり、こうした悪習慣を蔓延させているのは、日本の不動産業界の古い体質そのものにある。今回の最高裁判決は、消費者に説明の出来ない不当な契約を見直し、透明性のある賃貸借契約に改善させていかなければならないという時代の要請にも逆行するものである。
私たちは借主団体として更新料や礼金、敷引を廃止し、不透明な賃貸借契約を公正で透明性のある賃貸借契約を改善させるために、引き続き運動を継続していくことを表明する。
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