東京多摩借地借家人組合

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敷・礼なし「ゼロゼロ物件」トラブル続出、若者ら提訴へ

2008年09月18日 | 住まいの貧困に取り組むネットワーク
 敷金・礼金なしでマンションやアパートが借りられるとして低所得者にも人気の「ゼロゼロ物件」。だが、「家賃の支払いが数日遅れただけで、部屋の鍵を交換された」といった苦情も多く、入居者への強引な措置が問題となっている。

 こうした中、同物件の入居者が10月、不動産会社に慰謝料など1人あたり数百万円の損害賠償を求める訴訟を東京地裁に起こす。非正規雇用の拡大など収入の不安定な人が増える中、被害対策弁護団は「行き過ぎた『貧困ビジネス』は見過ごせない」と話している。

 提訴するのは、不動産会社「スマイルサービス」(東京)のゼロゼロ物件に入居する都内の男性ら20~30歳代の3人。弁護団によると、同社の物件では、敷金・礼金を払わなくていい代わりに、家賃の支払いが1日でも遅れると、家賃約6万円に「違約金」などの名目で約2万円が上積みされる決まりで、無断で部屋の鍵を換えられたり、留守中に荷物を処分されたりしたケースもあった。

 マンションに入居する場合、借地借家法に基づく賃貸借契約を結ぶのが一般的で、通常は正当な理由なく一方的に解約されない。しかし、同社は「鍵の一時使用」という特殊な契約形態を採り、契約書に「居住権は認められない」と記載していたため、いつでも解約できる内容になっていた。

 スマイルサービスから相談を受けている宮岡孝之弁護士によると、約4000件のゼロゼロ物件を展開する同社は現在、違約金徴収をやめ、契約も8月から賃貸借契約に順次切り替えを進めているという。宮岡弁護士は、「契約に望ましくない部分があったのは事実。提訴されれば、相応の賠償に応じる用意はある」と話している。

 一方、被害対策弁護団の宇都宮健児弁護士は「鍵の利用契約とするのは脱法行為で、低所得者の弱みにつけ込んだビジネスだ。他の業者に警告する意味でも、法的責任を明らかにしたい」と話している。

 今回、提訴を予定している30歳代の男性は、日雇い派遣として働いていた2年前、インターネットで同社の物件を見つけ、家賃5万8000円で、ロフト付きワンルーム(6畳)の部屋に入居した。しかし、仕事が少ない月には支払いが滞ることもあり、これまでに鍵を5回ほど勝手に交換され、違約金も10回以上支払った。「就寝中いきなり部屋に入ってきた業者に追い出され、ネットカフェで過ごしたこともある」という。

 「家賃滞納で住居侵入はやりすぎ」と提訴に踏み切ることにしたが、それでも、「ネットカフェや路上で暮らすのは絶対に避けたいので、ここに住み続けるしかない」と声を落とす。

 ゼロゼロ物件は東京の賃貸アパート大手が約20年前に始め、各地に広がった。初期費用が少なくて済むため、低所得の若者に人気だが、家賃滞納者への対応は厳しく、数か月の滞納で立ち退き訴訟を起こされることも多い。

 大手業者などは、強引な取り立てを行わないようにするなど、運用を改善しているとするが、弁護団が今年7月に実施した電話相談には計65件の相談が寄せられ、スマイルサービス以外の業者への苦情や相談も、42件に上った。

(2008年9月18日14時36分 読売新聞)
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消費者金融の借金があるが住宅ローンを借りられるか

2008年09月18日 | 借地借家の法律知識
(Q) 消費者金融に借金、融資審査が心配
愛知県 30歳代 会社員 男性


 はじめまして。このたび住宅の購入を検討しているのですが、1つ頭から離れない心配事がありますので、思い切ってご相談させていただきます。

 お恥ずかしい話ですが、消費者金融から、現在約100万円を借りています。クレジットカードやローンなどは他にないのですが、この状態で住宅金融公庫、銀行のローンなどの融資審査は通るのでしょうか?




(A) 返済状況と返済率によります
(住宅ねっと相談室カウンセラー 不動産コンサルタント・ファイナンシャルプランナー 平賀 功一)


 まず初めに基本的なことですが、融資に関する審査をするのは銀行ではありません。系列の保証会社が審査をして、最終的に銀行が決定を下します。その審査方法は、専門の信用情報会社に照会するのが一般的で、この信用情報会社には、デパートなどの流通系の会社や信販系の会社、そして銀行などの金融機関の情報が集められています。

 膨大な情報量ですから、時として同じ人でも一部の情報が信用会社には届いておらず、実際は借入れをしているにも関わらず、情報として引っかからないケースもあります。

 しかし、ご相談内容を拝見すると100万円とのことで、事前審査をすればほぼ信用情報に引っかかると思われます。

 保証会社が審査をする際、借金があること自体より「利用目的は何なのか」「滞納はないか」「予定通りに返済ができるか」といった点を重視します。ですから、消費者金融から借入れがあることは、事前審査の段階できちんと自己申告を忘れずにしてください。

 次に、審査の判断基準として保証会社が注目するのは「返済率」です。収入に対する支払の割合のことを指します。ローン返済がスタートしても、消費者金融のローンが残っているとダブルの返済となり家計への負担も大きくなり、滞納率が上がる可能性もあるので、住宅ローンの融資条件として「借金がある場合は完済する」ように指導されると思います。

 新築であれば、建物が完成するまでに1年近い期間がありますので、頑張って完済してください。

 正直に自己申告することと、できることなら、ご両親などからの援助を受けて一時的にでも借金をゼロにできると返済率も下がり借入れも有利であると考えます。



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