クリニック便り

尾道市にある小児科・眼科のクリニック,宇根クリニックより。
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今年の手足口病

2011-07-20 20:52:44 | 病気の説明
手足口病とはヘルパンギーナやプール熱とともに夏かぜの代表的なものです。
感染力が強く、潜伏期間は3-5日間程度で、幼児に流行が多く見られます。
1. その名の通り、
て、あし、くちに水疱が複数できます。
おしり、ひざ
にできることもあります。

2. 口の水疱がつぶれるとしみていたくなり、食べられなくなります。

3. 発熱はあっても多くは38度以下です。下痢を伴うこともあります。

4. 必ずしもやすまなければいけない出席停止の病気ではありません。
発疹が出ている程度なら、本人の状態次第で登園できます。


と昨年までは説明していました。


本当に、
手足口病と言えば、手のひら、足の裏に発疹、口の中に口内炎というのが普通。
数年前から、肛門の周囲、膝こぞうにも発疹が出るタイプがありましたが、

ところが、今年の手足口病は当然、口内炎や手のひら、足の裏にも発疹が出ますが、高熱がでる、腕全体や、足は大腿まで発疹がぎっしりで、お尻にも水疱がたくさん。水痘のような水泡を伴う大きな発疹を合併するというものです。顔や首、耳、体まで広がっているケースもあります。従来の典型例と比べて発疹が大きく、とにかく派手です。

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さらに治癒してから手足の先から皮がめくれるような例もあります。


手足口病を起こすウイルスはコクサッキーA16やエンテロウイルス71が代表的ですが、
今年の主流はコクサッキーA6型ではないかと言われています。
もともと、コクサッキーA6はヘルパンギーナの原因として多かったものなので、

今年は高熱でてすぐで受診した際は、「ヘルパンギーナ(口に口内炎多数のみ、手足ほか湿疹なし)」と診断した子供が
→1-2日後に手足などに派手な発疹が出て、「手足口病」と診断する例も多いです。


ただし、治療としては、
いつもの年の手足口病と同じで、

治療はウイルスによるもので特に特効薬はありません。水分をしっかりとるようにしましょう。
発熱、嘔吐、頭痛が続くときは受診しましょう。

手足口病、ヘルパンギーナ、髄膜炎等からのコクサッキーウイルスA6型の検出―広島市<速報> 

今年の手足口病の特徴




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