無意識日記
宇多田光 word:i_
 



昔に較べて、音楽を聴くのが面倒臭くなったなぁ、というのはよく思うよね。いや勿論、何でも手元のスマートフォンで検索すりゃすぐ聴けるのが現実だから、そりゃ「昔に較べて遥かに便利になった」のが本当なんだけども。

昔はテレビのリモコンもあんなに複雑じゃなかった。電源スイッチ、チャンネルつまみ、音量つまみな3つしか操作系は存在しなかった。いつどんな時も、電源スイッチを入れるという1つの操作で何かしら番組が見れたのだ。その前のラジオ時代からずっとそうだったのだが、ビデオの登場から話が変わってきた。観る選択肢を増やしたお陰で、操作系の複雑さも飛躍的に増した。

音楽リスニングもそうで、ラジオはテレビ同様電源スイッチと周波数つまみ、音量つまみの3つの操作系で、AM/FMの切替がつけばそれだけでうわっとなったものだ。カセットテープウォークマンも似たようなもので、カセットを入れて再生ボタンを押せば何かしら音楽が再生された。こちらはビデオと違い録音機能がないものから普及したのでさほど複雑さは変わらなかった。

CD/MDウォークマンになってもそれは基本的には変わらない。ランダム再生やプログラム再生などの機能は増えたが、取り敢えずディスクを入れて再生ボタンを押す、それだけで音楽が鳴った。

やっぱりメモリ型ウォークマンやガラケーが出てきた所から潮目が変わったかな。その、なんか入れてぽちっとなで取り敢えず、というのがない。選んで観たり聴いたりするのが億劫でない人はホクホクだったが、どうにもそれではねぇ。

去年から日本でも定額配信の話題が増えたが、金額よりもあれやこれやの説明を読むのが面倒臭い。こんなの読んでる間にYouTubeやRadikoのアイコンタップして1曲聴けるがな、となる。

やはり、操作系がシンプルなのがいい。もしかしたら他のアーティストがやっているのかもしれないが、例えば「宇多田ヒカルアプリ」って作れないのだろうか。機能は極々単純、アイコンをタップするとUtada Hikaru VEVOの動画がランダムに再生される、というだけ。元々YouTubeに置いてある動画なんだから痛くも痒くもないだろう。何がいいっていちいち「宇多田ヒカル」と入力して検索しなくていい。そんな手間も惜しむのか、って言われそうだがさっき書いたようにテレビは「ピッ、ガチャガチャ」で観れたし、ウォークマンは「ガチャッ、ピッ」で聴けたのだ。あの頃より遥かに便利になった今の方が必要な操作が増えるのはおかしい。

現実的には「宇多田ヒカルアプリ」より「EPICアーティストアプリ」くらいになっちゃうかもしれませぬが、それでもいいよ。兎に角一操作ですぐ楽しめるというのが大事。何でも選べる時代だからこそ、態々熊々選ぶのが面倒。そういう心理も理解して貰えると有り難い。

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