無意識日記
宇多田光 word:i_
 



『誓い』/『Don't Think Twice』のバッキングのリズムは4拍子と3拍子の重ね合わせだ。ここから何をどう推理するか。

一つ言っておきたい事実がある。宇多田ヒカル/Utada Hikaruという人は、全くと言っていいほど3拍子のリズムを使わない。もしかしたらまだ一曲もないんじゃないのという位に。4分の3拍子と8分の6拍子でもまた意味が違うが、4拍子の中で三連符を使う事すら稀だ。考えてみれば不思議な事である。

言ってしまえば「宇多田ヒカルはワルツを踊らない」のだ。なので、今回もし仮に『誓い』に3拍子が現れるのであれば歴史的画期的な出来事になるだろう。

では。『誓い』のリズムは、今皆さんが聴いている通りだがこれがどうなるか。

ちょっと英語のコメントで見かけたのだが、「キングダムハーツ3は悲しい物語になるかもしれない」んだと。どういう推理なのかゲームをしない身にはさっぱり定かではないのだが、今までのテイストとは異なるストーリーならテーマソングもそれに合わせて変わらなければならない。そう、『Beautiful World』と『桜流し』位の落差で。

となると、ひとつ予想したくなるのは、『誓い』/『Don't Think Twice』の"オリジナル・バージョン"が実は「マイナー・キーのワルツソング」みたいな雰囲気になっているのではないか、と。4拍子のメロディーを3拍子のリズムに合わせるのは、"結構何とかなる"ものである。無理な話ではない。つまり、今あるアレンジから4拍子の部分を抜いて3拍子を剥き出しにするのだ。8分の6拍子の解釈が4分の3拍子に変化している事もあるかもしれないが、これも"結構何とかなる"ヤツである。

この話は前提として、今聴けるトラックが"バラード・バージョン"であるという解釈に基づいている。前作に倣うならこれがエンディングで流れるのか、となるが、ストーリーのテイストが変わるならオープニングが静かに始まって、エンディングが賑々しいという逆転現象も考慮に入れておかねばなるまい。とは言ってもそういう思考は場合の数の発散を齎して疲労感が出る。考え過ぎるのは止めにしよう。

「マイナーキーのワルツソング」の一例としては私はいつも通りに「チムチムチェリー」を思い浮かべるが(IN FLAMESの"Moonshield"が…と言っても誰も反応せんしな)、そういやこの曲「メリーポピンズ」だから一応ディズニー作品という事になるな。え、今年日本でミュージカルやんの!? へぇ…。

まぁそれはさておいて。妄想するのは自由である。今までの流れからして、バージョンなりミックスなりが複数あるのはほぼ間違いない訳で。最終的にはオーケストラ・バージョンがトドメを刺してくれさえすればよい。まだまだ情報が少なくて妄想は収斂し難いがそれも今だけの楽しみ方だよね。

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では、『誓い』/『Don't Think Twice』の派生バージョンは具体的にどんなものになるのだろうか。ゲームのストーリーもわからないうちに予想するのは難しいなんてもんじゃないが、ちょっと違う方面からみてみよう。

少し最初に戻ってみる。今回の2曲が発表された時に話題になったのは「変則的なリズム」である。ピアノの演奏がジャストではない点と、複数のリズムが重ね合わされている点。ここである。

『誓い』/『Don't Think Twice』は、基本的にはバラードと言っていいテンポで演奏されている。これは前作でいえば『after the battle』『Ending Version』を想起させるものだ。となると、最初に口火を切ったこの2トラック、派生バージョンな可能性があるのである。

オリジナルのシンプルなバージョンではない方から先に発表? そんな変則的な事がありえるのか?と思う所だが私達ヒカルファンは既に経験済みである。11年前、2007年の2月に発表された『Flavor Of Life』は同年1月に『ballad version』の方が先に発表された。後にCDシングルが発売になった時このバージョンは2曲目に収録されていたのである。つまり、派生バージョンの方が先に発表されたのだ。こういう事態を私達は経験済みなのである。

『ballad version』が先に発表された事で当時の私は随分曲の解釈に苦労する事になる。『ありがとうと〜』以下のサビメロは文句なくキャッチーなのにそれに繋げるブリッジ(Bメロですね)の構成がよくわからない。着うたで大ヒットした楽曲なので大半の購入者は気にならなかったのかもしれないが、スカスカのアレンジは一体どういう意味なんだ?と随分首を捻ったものだ。結構な時間が経ってからオリジナル・バージョン(CDシングルの1曲目)が発表されてそこで漸く、ブリッジには元々『Don't be afraid, You'll be ok.』というコーラスが存在した事を知り腑に落ちたのだ。そういう事だったのね、と。

つまり、今回の『誓い』/『Don't Think Twice』も、先に派生バージョンが発表されているのだとすればアレンジに違和感があるのは当然であって、今後オリジナル・バージョンが発表されてその時やっと「そういう事だったのか」と合点がいく、という展開も想像できるのだ。ヒカルとスクエニ&ディズニーによる壮大な仕掛けである。

しかし、もしそうだとすればCDシングルというか、ミニアルバムを出して欲しくなるよね。派生バージョンにリミックスにオーケストラにインストをフィーチャーした、『Flavor Of Life』や『FINAL DISTANCE』並みのボリューム、5〜6曲収録した30分〜40分位のヤツを。流石にこれは売れると思うんですけどどうですか?

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