無意識日記
宇多田光 word:i_
 



前回(今朝)Passion~KeepTrying&ThisIsLoveの流れがあると書いたがUB収録順序はコレと逆だ。手法がこなれる程大衆性増すのが音楽の常、作品世界に引き込む役割の序盤には後から出来た作品のKT&TiLが適切との判断だろう。04年ナイロン誌で「入口広く出口狭く」と光は語ったが、正にソレを実践した曲順だ。然し作り手視点からすると情熱からTiLが生まれてくるダイナミズムこそが原初興奮であり時系列に沿う分リアルな感触なのだ。ライブのオープニングを情熱~TiLとしたのは、作り手としてのそのリアルな興奮を、ライブ会場という密接な限定的空間でなら伝えられると考えたとみる。


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FoLは"すんなり"出来たらしい。MLもそうだとi_は思うが、それと曲の素晴らしさは無関係だ。事実両曲とも大人気。私の大好きなハロウィンの"パワー"(1996)も10分で出来たんだとか。違いが出るのはその後の作風への影響だ。光の場合だと2年寝かせたForYouや紆余曲折の末のF.DISTANCEは私小説的な3rdアルバムへの布石&支柱となったし、1年以上掛けて詞と終局部を捻り出したPassionはKeepTrying&ThisIsLoveを生み出した。1人のアーティストを一生追い続ける場合その種の葛藤が透けて見える曲の方が未来への希望が膨らみファンをする事への確信をより強めてくれるのだった。


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