道草備忘録

本サイト安彦良和WORLDとあまり関連のない「道草」的ページ。 SHINJIが時々関心を持ったことを備忘録として記録。

魔法使いハウルと火の悪魔

2005-12-11 11:59:59 | MOVE
「ハウルの動く城」を見ていろいろと説明不足な点が見受けられたり、話の背景やつながりがよくわからない部分があったため、原作を買ってみました。

結果、映画と原作はかなりかけ離れていますね。
登場人物から設定、ストーリーまでかなり違う。原作はちょっとダークな部分があるので、映画ではもっとソフトにファンタジー色を強めたかったのかも。

どのあたりが違うかというと、これは映画を見てから知った方がいいと思いますけども、ネタバレご容赦ください。

1)荒地の魔女の扱い
ここがもっとも違うところか。原作ではハウルを呪いで追い詰めて行き、後半は実際にハウルと魔法で戦っています。また、火の悪魔はカルシファーだけではなく、荒地の魔女側にもついています。

実際には既に荒地の魔女は火の悪魔に操られているだけの存在で、映画と全然違う結末にちょっとショック。また、荒地の魔女の城も存在している。

2)ソフィー一族
ソフィーには妹が二人存在している。映画ではケーキ屋(だっけ?)で働く人気者のレティーが出てくるが、末の妹(マーサ)は折れ谷に魔法の修行に行っており、出てきていない。

ソフィーが老婆になって居場所を失い、途方にくれて向かった先が「折れ谷」で、劇中でも一言セリフの中で「末の妹を訪ねに行く」と農夫が話している。また、原作はさらにややこしいが、二人の妹レティーとマーサは互いに魔法で姿を変え入れ替わっている。

魔法が使えるのはこの一族生まれつきの部分があるらしく、実はソフィーにも魔法の力が備わっていた。主に「言霊」を操る力のようだ。道中かかしを助けて命を吹き込んだり、帽子屋で作った商品に魔力が入っていたり(その結果継母がお金持ちと再婚できたり)、ラストでカルシファーがハウルの心臓なしで生きれるようにしたりと、映画でわからなかった部分がこの魔法の力があったことで解決できる。

3)サリマン
劇中では、ハウルの師匠だが、原作の師匠はペンステモン先生。でもこの先生は荒地の魔女に抹殺されます。サリマンという名前は、もう一人のペンステモンの弟子、サリヴァンからとったものと思われる。このサリヴァンはハウルと同郷の出らしく能力も高かったが、この人も荒地の魔女にバラバラにされてしまうという・・・ちょっとグロイ展開です。

4)マリクル
劇中では子供で「待たれよ」というセリフで笑わせてくれたキャラクターだが、原作ではマイケルという青年キャラ。キャラクター的には劇中の方が好印象。

5)かかしと犬
どちらも呪いがかけられている点は共通している。が、サリヴァンを含めて原作ではかなり重要なキーマン。原作にしか出ない行方不明となったジャスティン殿下に深くかかわっている。

といった具合に、映画では描かれていない部分がかなりあるし、ストーリーも全然違う展開なので、別物として読むべきなのだが、細かい設定部分は映画で描かなかっただけで、共通している部分も多い。脳内補完しながら二つの物語が楽しめてしまうのは面白かった。ついつい原作の続編も読んでみたい衝動にかられた。



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