道草備忘録

本サイト安彦良和WORLDとあまり関連のない「道草」的ページ。 SHINJIが時々関心を持ったことを備忘録として記録。

スプライス

2011-08-07 16:33:26 | MOVE

このところ何本か見た映画の一本です。「スプライス」(Splice) ヴィンチェンゾ・ナタリ監督 2009年カナダ・フランス合作 キャスト:クライヴ(エイドリアン・ブロディ)、エルサ(サラ・ポーリー)、ドレン(デルフィーヌ・シャネアック) エイドリアンはプレデターズに出てたみたいなのですが、覚えがない・・・あんまり知らない俳優さんたちです。レンタルで見たので細かい制作情報はわからず。

ストーリー ある製薬会社で研究を重ねる遺伝子工学(?)の天才、クライヴとエルサは、DNAの組み合わせで新生物を作り出し、新たな酵素やタンパク質を見つけ出すのが仕事。最近では、フレッドとジンジャーと呼ばれる芋虫というか、舌というか、ペニスというか・・・見た目気持ち悪い新生物を創造し、会社からも賞賛されたがそれも最初のうちだけ。企業の経営は思わしくなく、新たな研究成果を出さなくてはならない。しかし新たな予算は下りないので新生物を作り出す研究費の余裕はない。ジンジャーとフレッドを使って結果を出すよう迫られるクライヴとエルサなのだが、エルサは会社に隠したまま新生物の創造にのめり込む。ついに禁断の実験、人間の遺伝子を使用し新たな新生物を創り出すエルサ。新生命体をドレンと名付け、クライヴとともに密かに育て始めるのだが・・・といった展開。

評価はまあ、全体の流れは面白かったです。でも同時にもの凄い拒否感とうか、嫌悪感が存在します。ホラー的な恐怖感じゃなくて、どっかモラルがぶっ壊れているというか、薄気味悪いというべきか。見てはいけないものを見せつけられている印象。子供には見せたくないし、自分が子供の時に見たらトラウマになると思うね。

まず、エルサとクライヴ。この二人は夫婦なのですが、クライヴはどちらかというと、嫁のエルサの尻に敷かれるタイプ。エルサの言われるがまま服従している感じで頼りない。おいおい、エルサの暴走止めてやれよ、と思うのですが、ついには妻と一緒にドレンを育てていきます。しかし、心の底ではモラルが警告を発するようで、ドレンを殺そうとしたりします。しかしその行為が結果的にドレンの新たな能力を生じさせたりするのですが。

んで、片方のエルサはもの凄く自己中心的。周囲の忠告を無視して、自分の願望実現に突き進むタイプ。どうやらそんな人になったのには理由がある様子で、エルサの母親が厳格で厳しく育てられたことに起因している(たぶんそんなカンジの理由だった、見てから期間がたってるのでうろ覚え) 自分の言うことを聞く忠実な人形のような子供がほしい。それがエルサの欲望。そして、エルサが選んだのは実際の子供ではなく、遺伝子操作で創り出したドレンだったのだった。

ドレンはエルサに囲われて育てられますが、ドレンは成長するにつれ外に出たくてしょうがなくなる。やがて研究所におけなくなり、エルサの実家(?)である廃屋に住まわせる。しかし、そこでの生活もドレンにとってはかごの中のトリ。エルサに厳しい注意を受けるドレンは、やがてエルサに攻撃を仕掛け廃屋から脱出しようとするが捕まり、しっぽを切除されたりと、ある意味虐待が加えられます。

クライヴはそんなドレンを可哀想に思い慰めたりしますが、そして育てていくうちにドレンに愛情を抱き・・・いや、ペットをかわいがるというレベルを超えて、獣姦しちゃったりして、オイオイ何考えてんの??ここでやっちゃうのか???という怒濤の展開が待ち受けています。エルサはその光景を見て逃げ出すのですが・・・このあたりは笑わす展開なのですが、一方でなんか吐き気がする気持ち悪さが残ります。

そこからは更に急展開。ドレンは何故か衰弱死、その後にありがちな展開が待ち受けています。それもまた気持ち悪いのですが・・・。新生命体ドレンは目が離れててとても醜い不細工なメスです。これが更にラストでは男性に転換し、さらに不細工になってしまうのだが・・・それは実際に映画を見てください。

この映画で何を描きたかったのかよく分からなかったのだけど、命の尊厳を無視、責任の放棄、快楽の追求といった、人間の負の面だけが目につく後味の悪い作品でした。

 

 


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