雲の中に山の中に

雲の中に　山の中に　消えていく今日の日
響く子供の笑い声は　あの日の学校へ吸い込まれ
過ぎていった年月も　また現れる記憶の中で

咲く

花咲く季節に　時を増す昼の時間
夕暮れを知らない夕暮れは　いつか遠くへ
花のむく先に　今日の日はゆっくりと沈みかけて

遠くに

遠くに見える街の姿
吹き込む風に　晴れていく空の下
澄み渡る空気に　夏のような日差しはゆれて

小さな

小さな花たちは　すぎゆく春の風に揺れ
照りつける陽に　季節のうつろいを見つける
止まることなく動き続ける時間　花たちは種を作り
また　次の年へと

光

射し込んでくる光は何もない空から
昨日の雨に洗われた空は　どこまでも高く
肌を灼く日差しに　近づく夏を感じながら

ぼんやりと

ぼんやりと変わっていく雨の空を眺め
冷たい風に　傾く今日の日を見送る
吐き出した息さえも白くなるほどに　昨日の天気を思い起こし

海

囲まれた海の中に揺れる波の音
見下ろす海は夏のような日差しに灼かれ
見上げた空に手をかざし　透かして見る　夏の気配

若葉の中に

若葉の中に消えていく夕日はいつものように
繰り返される昼と夜の間
過ぎ去っていく休日に日々変わる森の姿

空

ゆっくりと流れていく雲は　少し冷たい風に吹かれて
見上げるままに大きな空はしっとりと
変わる季節にやってくる夏を待つように

落ちていく

落ちていく陽を眺め　変わる風の音に耳を傾ける
冷たく変わっていく空気と　終わりゆく今日の日
冷たく澄んだ光りに　思わず息を飲みながら