岐阜多治見テニス練習会 Ⅱ

菱の実を

菱の実をまだ食べたことがない。
誰かその機会を与えてくれないだろうか。
万葉集の昔から、
人は秋に味わってきた。
僕の子供の頃は、
アケビやグミをよく採取して食べたものだ。
アケビやグミは、今でも見付けられる。
しかし、菱の実は、どの沼に行けば見付けられるのか。
ついでに言えば、
僕の子供の頃は、
田んぼの方に行けば、
泥鰌がいた。
具体的に言ったところで
誰の興味も引かないだろうが、
坂田郡伊吹村の
平田川という名もない小さな川
(名はあるけれども、名もない川)に
その泥鰌はいた、
と記憶する。
川で捕った泥鰌を蒲焼にして食べた。
今、あの頃を思い返すと、夢のような、
豊かな世界に生きていた、と思わざるを得ない、
お金も物も豊富になかった貧しい時代なのに、
「豊富の中の貧困」を思い知らされる今と比べれば。
添加物も、
残留農薬も、
まったく気にせずに過ごしていたあの頃!
春には芹も摘んだあの川。
ふるさとの川も山も失ってしまった、
気付いた時には。
かわりに何を村人は得たのだろうか。
泥鰌や鮒がいたあの川を取り戻せるのならば、
僕は何もいらない。

ランキングに参加中。クリックして応援お願いします!

名前:
コメント:

※文字化け等の原因になりますので顔文字の投稿はお控えください。

コメント利用規約に同意の上コメント投稿を行ってください。

 

  • Xでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

最新の画像もっと見る

最近の「四方山話」カテゴリーもっと見る

最近の記事
バックナンバー
人気記事