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映画「ショートバス」の感想

2007-11-13 | 映画の感想
◆№65 10月31日 「ショートバス」(★★★☆☆)
(感想)模型のニューヨークの町並みがお伽の国を連想させる。裸体やセックスシーンをもろに使っているので日本ではボカシが入る。露骨な映像が多く上品な作品ではない。登場すのもホモやSMなど際物だがリアルである。SM嬢の部屋からグランドゼロを見下ろすシーンがあり、外の現実と内なる現実が交錯し、不思議な感覚を覚える。ストーリーはないのだけれど、精神的な問題を苦労して描いているように感じる。孤独な都会の人間のさみしさが伝わってくる。異性でも同姓でもいい、自分を理解し支えてくれる愛を求めて日々過ごしている。人間の関わりは、度を越せば干渉になるが、都会のように希薄だと周りに人がいても孤独感を伴なう。人種の坩堝(るつぼ)と言われるニューヨークではさらに顕著なのだろう。元々治安が悪いところもあったのに加えテロで、さらに人を信じることが難しい街となった。自由かもしれない、何でも仕事に結びつく、風俗の仕事も成り立つ、しかし、反面生きるためには嫌な仕事がやめられない、経済的にも精神的にもきつい街。精神が磨り減ると人々はいろいろな形の癒しを求める。ショートバスという架空のクラブを舞台にそんな悩める人々を映画いている。

総合 3.5 大人のお伽の国。映像は過激だが内容はおとなしい
監督 4 ストーリーはないのだけれど、精神的な問題を苦労して描いている
脚本 3.5 
演技 3.5 丁寧な演技をしている(セックスシーンを除いて)
音楽 3.5 映像の刺激とは逆に、さりげなく心地よい音楽選択
映像 4 露骨で最低なシーンと癒される町並みが同居している


杜人

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