おかえりなさい・・・ようこそ、ネバーランドの扉を開けてくれてありがとうね。とうとうGWがスタートしましたね♪みなさんは如何お過ごしですか?もしかして・・・もう日本から脱出しちゃってるのかな?私は・・・いつもと変わらずこうして・・・みなさんのご来店をお待ちしておりますよ。ハハハハハハハハ・・・・・。先ほど可愛いお供を連れたお客様が”オーロラ (Aurora)”というカクテルをご注文されました。このカクテル・・オーロラのように刻々と移り変わっていく味わいを楽しめる逸品なんですよ。そうそう 彼女はそのカクテルを味わいながら・・・そして・・ちょっと・・・はにかみながら、ご自身の『初恋』についてお話をしてくれました・・・・。では・・・そのお話の中に足を踏み入れて見ましょうか・・・。
『マスター・・・このお店・・・私の親友と一緒にいてOK?・・・ありがとう♪実はね・・マスター、今日はいい事があったの。私にとって最良の日。今までけっこう辛い時間を過ごしてきたんだけど、1年間だけとっても素敵な時間を過ごした事があるの。マスターに聞いてもらおうかな私と彼の話を・・・彼と初めて会ったのは小学6年生の春。田舎の小学校には似合わない、都会のもやしっ子転校生。自己紹介で「僕は本が大好きです」と名前を言う時より大きな声で言ったのが印象的だったな~。何せここは本とは無縁の子供達が殆どだから・・・案の定彼は浮いた存在に。でもね・・・彼は全然気にしないの。本当に本がお友達って感じでね♪そんな彼を私はだんだん気になってきてね。でも私・・・とっても可愛くないから、みんなからメガネザルと言われてるくらいのブスだったのよ・・・だから声掛けれなくて・・・そんな私にチャンスが訪れたの・・・図書室の本整理当番に、彼と私が選ばれたのよ。その時私は何度神様にお礼を言った事か!ドキドキしながら彼との本整理。彼は恥かしがり屋で無口なので、本当に静かに時間が過ぎていったわ・・・でもね、このまま終わってしまったら、ふたりでいれるチャンスはもう二度とないような気がして・・・勇気を出して何かお話しようと・・・その時・・・彼が・・・「その本・・・読んだ事がある?」と私の右手の本を指差して言ったの。私はエッ・・・何??・・・もうどういう状況になったのか分からず・・・。そして右手に持っていた本を見てみると・・・『ツルゲーネフのはつ恋』だった。当然だけど・・・読んだ事がないので・・・小さな声で「読んでません」と答えたの。そしたらね・・・「優子さんには今この本を読んで欲しくないな」と一言・・・その言葉に私は大ショック。普通は「君に読んで欲しいな」でしょ。どうして?何故?声に出して、どうしてか聞きたかったんだけど・・・声が出なくて・・その代わり涙がボロボロ出ちゃった。そしたらね・・・彼・・・その涙に慌てちゃって、ごめんね・ごめんねって謝ってくれて、”はつ恋”の変わりに沢山の本を選んでくれたの。それから、毎日のように彼と一緒に本を読んだわ、おしゃべりもした・・・将来の夢の話も聞いちゃった!彼の夢は”童話作家”になる事。その他いっぱい・・・とっても幸せな時間だった。でもね・・・彼とお別れしなきゃいけない時がきたの。それはね・・・私が”網膜色素変性症”という病気だったから・・・この病気を治す為にこの街を引っ越す事になってしまって・・・彼、駅までお見送りに来てくれてネ。その時彼が私にこう言ってくれたの・・・「はつ恋をまだ読んで欲しくないという気持ちは、まだ変わっていないんだ。だからね・・・その代りに僕が君の為に”はつ恋”というタイトルで本を書くよ。出来るまでもう少し待っててくれないかな。絶対完成させるから!病気に負けないで待ってて欲しいんだ」彼の言葉に私の胸は熱くなって・・・涙が止まらなかった・・・別れの悲しみと約束の嬉しさとが交差して・・・もう涙が・・・そして15年の月日が流れて、一冊の本が届いたの。世界で私だけの本が・・・彼から・・・時を経て私のはつ恋がやっと届いたのヨ。大分視力は低下してるけど、頑張れば見えないことはないから・・・私はこの本を読むために頑張ってきたんだもの・・・マスター、いいでしょ・・・私だけのはつ恋なの・・・』
『素敵なお話しですね。私もツルゲーネフのはつ恋は読んだ事があります。確かに小学生には読んでもらいたくない作品ですよね。少年の恋に対する想いは純粋だけど、大人の事情がそこに関与しちゃってる作品ですからね・・・子供には、大人の事情は必要ないですから・・・それを感じるのは、いずれ嫌でも分かる事ですからネ。おっと・・・親友君が喉が渇いたようですね。マスターから特性のミルクをご馳走しましょう。初恋ですか・・・みなさんはどんな初恋を経験されていますか?もしよかったら、マスターにそっと教えて下さいな・・・・』
マスターより
『マスター・・・このお店・・・私の親友と一緒にいてOK?・・・ありがとう♪実はね・・マスター、今日はいい事があったの。私にとって最良の日。今までけっこう辛い時間を過ごしてきたんだけど、1年間だけとっても素敵な時間を過ごした事があるの。マスターに聞いてもらおうかな私と彼の話を・・・彼と初めて会ったのは小学6年生の春。田舎の小学校には似合わない、都会のもやしっ子転校生。自己紹介で「僕は本が大好きです」と名前を言う時より大きな声で言ったのが印象的だったな~。何せここは本とは無縁の子供達が殆どだから・・・案の定彼は浮いた存在に。でもね・・・彼は全然気にしないの。本当に本がお友達って感じでね♪そんな彼を私はだんだん気になってきてね。でも私・・・とっても可愛くないから、みんなからメガネザルと言われてるくらいのブスだったのよ・・・だから声掛けれなくて・・・そんな私にチャンスが訪れたの・・・図書室の本整理当番に、彼と私が選ばれたのよ。その時私は何度神様にお礼を言った事か!ドキドキしながら彼との本整理。彼は恥かしがり屋で無口なので、本当に静かに時間が過ぎていったわ・・・でもね、このまま終わってしまったら、ふたりでいれるチャンスはもう二度とないような気がして・・・勇気を出して何かお話しようと・・・その時・・・彼が・・・「その本・・・読んだ事がある?」と私の右手の本を指差して言ったの。私はエッ・・・何??・・・もうどういう状況になったのか分からず・・・。そして右手に持っていた本を見てみると・・・『ツルゲーネフのはつ恋』だった。当然だけど・・・読んだ事がないので・・・小さな声で「読んでません」と答えたの。そしたらね・・・「優子さんには今この本を読んで欲しくないな」と一言・・・その言葉に私は大ショック。普通は「君に読んで欲しいな」でしょ。どうして?何故?声に出して、どうしてか聞きたかったんだけど・・・声が出なくて・・その代わり涙がボロボロ出ちゃった。そしたらね・・・彼・・・その涙に慌てちゃって、ごめんね・ごめんねって謝ってくれて、”はつ恋”の変わりに沢山の本を選んでくれたの。それから、毎日のように彼と一緒に本を読んだわ、おしゃべりもした・・・将来の夢の話も聞いちゃった!彼の夢は”童話作家”になる事。その他いっぱい・・・とっても幸せな時間だった。でもね・・・彼とお別れしなきゃいけない時がきたの。それはね・・・私が”網膜色素変性症”という病気だったから・・・この病気を治す為にこの街を引っ越す事になってしまって・・・彼、駅までお見送りに来てくれてネ。その時彼が私にこう言ってくれたの・・・「はつ恋をまだ読んで欲しくないという気持ちは、まだ変わっていないんだ。だからね・・・その代りに僕が君の為に”はつ恋”というタイトルで本を書くよ。出来るまでもう少し待っててくれないかな。絶対完成させるから!病気に負けないで待ってて欲しいんだ」彼の言葉に私の胸は熱くなって・・・涙が止まらなかった・・・別れの悲しみと約束の嬉しさとが交差して・・・もう涙が・・・そして15年の月日が流れて、一冊の本が届いたの。世界で私だけの本が・・・彼から・・・時を経て私のはつ恋がやっと届いたのヨ。大分視力は低下してるけど、頑張れば見えないことはないから・・・私はこの本を読むために頑張ってきたんだもの・・・マスター、いいでしょ・・・私だけのはつ恋なの・・・』
『素敵なお話しですね。私もツルゲーネフのはつ恋は読んだ事があります。確かに小学生には読んでもらいたくない作品ですよね。少年の恋に対する想いは純粋だけど、大人の事情がそこに関与しちゃってる作品ですからね・・・子供には、大人の事情は必要ないですから・・・それを感じるのは、いずれ嫌でも分かる事ですからネ。おっと・・・親友君が喉が渇いたようですね。マスターから特性のミルクをご馳走しましょう。初恋ですか・・・みなさんはどんな初恋を経験されていますか?もしよかったら、マスターにそっと教えて下さいな・・・・』
マスターより