先日読んだ「五分後の世界」の続編。
と言っても出てくる人物は全く新しいもので、背景となる世界が前作と同じ舞台。
国連軍と戦い続ける日本(アンダーグラウンド:以下UG)が現世界でいうところ九州宮崎で発生した殺人性ウィルスを封じ込めることができるか、発生要因は、その対処法とは、といったことを通して人間の精神性を訴えかける作品。
これまた筆者の村上龍らしさが出ている作品だと思います。
ウィルスが人体に働きかけるプロセスなどは非常に緻密に描かれていて、著者の丁寧な取材がよくわかります。
最終的にウィルスに感染しながらも、死に至らなかった要因を明確には表現してなくとも、生き残った人物の精神性・背景に見え隠れするのも村上氏らしい表現であり、またその内容も彼の世界観に即したものになっています。
一連の作品を合わせてみることをお勧めしますし、村上龍作品を読んだことない方はこの作品群から読んだらいいとも思います。
ヒュウガ・ウイルス―五分後の世界 2 (幻冬舎文庫) | |
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