岩田亨の短歌工房 -短歌・日本語・斎藤茂吉・佐藤佐太郎-

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中国脅威論の虚構

2018年11月29日 | 歴史論
 このブログでも紹介したが、ナチスのヘルマン・ゲイリングがある言葉を残している。要約すると次のようなものだ。


「戦争を望む国民はいない。だがそういう国民を戦争に引き込むのは簡単だ。『我が国は攻撃されようとしている。だから戦争の準備をする。それに反対する人間は愛国心にかけると攻撃すればいいのである。』


 現政権のもとで軍事予算は膨張している。「軍事費ローン」という後年度負担も増大している。20年あとの世代まで負担させる問題の多いものだ。この時期に強調されるのが「北朝鮮脅威論」「中国脅威論」だ。


 2018年の春から、朝鮮半島の南北対話が進展している。北朝鮮がアメリカと対話し、韓国がロシアと対話を始めた。東アジアの安全保障環境が劇的に変化した。東アジアの冷戦構造が解消しはじめた。一時盛んにやられたJアラートもほとんど聞かなくなってきた。


 「北朝鮮脅威論」が説得力を失い、変わって強調され始めたのが「中国脅威論」である。極め付きは沖縄知事選挙。「辺野古基地反対の玉城デニーが当選したら中国がせめて来る」というもの。荒唐無稽だ。実際に沖縄に責めてきて、選挙で示された民意に反し、坐りこむ沖縄の民衆に襲いかかったのは日本政府だった。


 毎日2000万円の警備費が支出され、東京神奈川の機動隊が沖縄に派遣されている。辺野古基地の建設費は当初の見積もりの数倍に膨れている。この経費はすべて税金でまかなわれる。まさに沖縄の問題は日本全国の問題になり始めている。


 これを裏から支えているのが中国脅威論だ。しかし冷静に考えれば荒唐無稽だ。

 中国は日本とアメリカの国債を大量に買っている。その逆も進んでいる。また中国の貿易相手国の相手国は、輸入も輸出もアメリカと日本が一位、二位を占めている。米中、日中には、貿易摩擦をはじめとする懸案がある。

 日本とは尖閣諸島の領有問題もある。だが中国が貿易の相手国を失ってまで日本に攻めてくるだろうか。そんなことはあり得ないと断言できる。関東大震災の在日朝鮮人の虐殺のように、冷静に考えればあり得ないことが、まことしやかに公言される。ここを冷静に見る理性を大切にしたい。
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