(昨日の日記に書きましたが念のためあらためて申し上げます、以下の内容はすべてフィクションであります、どんなに実在の人物や場所に似ていても、それは単なる偶然の一致に過ぎません)
GGI、現地の有能なるエージェント諸氏に向かってよびかけました
「さて、これからフィクションとしての放射能汚染地区への立ち入りを決行いたします、え~、ところで全員で不法に立ち入りますか、それとも誰か見張りを残していくことにしましょうか?」
すると第二の男が申しました
「あのなあ99号、実はおれたち、第一の男と第二の男は先週、市議会議員2名を引き連れて、県の許可をとって汚染地区に合法的に立ち入ったんや、そのためおれたち二人はすでに若干量の放射線を被曝しているというわけ、だから今日また立ち入るとなるとさらに被曝量が増えることになる、だからおれたち二人は本日の非合法の立ち入りを遠慮申し上げる」
「何?そんな話は聞いていないぞ、あのニャーニャも現地に有能エージェントがいるニャから、かれらと力を合わせてミッションを決行しろよニャ~と言っていたのだぞ」
「ニャーニャがどう言っていようと、おれたちはすでに一回被曝しているんや、だから今日は99号も被曝してきたらどうだという、おれたちの親心や」
「それならオレとモニカだけで汚染地区に侵入しろというのか」
「まあ、それはモニカと相談するんだな」
それでGGI、後ろをふりかえってモニカのほうに目をやりますと、なんとモニカはすでに準備完了の気配、完全装備であります、ブーツにコート、顔にはマスクと大きなゴーグル、
「モニカ、第二の男があんないいかげんな言いわけしているから、ほっといて二人だけで行こうか?でかいズウタイとでかいツラしてるくせに、あんな女々しことしかよう言わん奴だとは思わんかった、見損ねた」
「あら、99号、私はダメよ、私がニャーニャから言われたことは、現場をしっかり見て来いということだけよ、現場に入ってこいとか、不法侵入してこいとか、そんなオソロシイことは言われなかったわ、だから私の役目は99号が不法侵入して歩き回るのをゲートの外からしっかりしっかり眺めていることなの」
まあ、情けない奴らばかりだなあとあきれて返す言葉を失っておりましたら、第二の男がエラそうにのたまいました
「わかったか99号、かようなしだいであるから本日は99号ひとりで汚染地区不法侵入のミッションを決行せよ、それから、だれか当局の関係者に不法侵入を見つけられてしまう事態も考えられる、そうした場合に備えてさっさと逃げ出すか言い抜けるためにできる限り軽装備で侵入しろ、マスクやゴーグルや手袋なんてものものしい格好をするな、放射線計以外に余計なものを持つな、そうすれば誰かに見つかっても、放射線計さえ木の茂みがどっかに投げ捨ててしまえば、いくらでも言い抜けられる、あの~、散歩していて道に迷ってしまったんですとか何とか・・・分かったか99号」
もう、まったく言いたい放題、GGIはうんざりして聞こえないふりをしておりましたら第一の男が丁寧な言葉づかいではありますが、追い打ちにかけるように厳しいことにのたまいました
「それになですねぇ99号さん、あなたの余命ははっきり申し上げてこの四人のなかで一番短いのです、それに私たちには立派なヨメサンやダンナやお子さまがいらっしゃるのですけれど、あたなは独居老人ですから、何が起きても後顧の憂いが私たち4人のなかで一番少ないのです、だから本日のミッションはあなた一人で決行するしかないのです」
この日頃温厚な真正ハンサムシティボーイである第1の男の厳しき現実を示す言葉に打ちひしがれて、助けをもとめようとモニカのほうを振り向きましたら
「99号、第一の男のいうとおりよ、だからさっさと不法侵入しなさい、私がしっかり眺めていてあげるから・・・そんなことよりどう?ゴーグル姿の私、カッコいいと思わない?」
アホか!何ぬかしてるんや!
かようなしだいで、結局、GGIは軽装備で、すなわちマスクも手袋もゴーグルも帽子も身につけずに、手のひらに乗る大きさの放射線計だけ携えて、不法侵入を行い、無事ミッションを完了いたしました、どのようにしてゲートの向こうに不法侵入したのかはフィクションではありますが、ここには記しません
ゲートの向こうにはブルーシートに覆われて汚染木材チップが横たわっておりました、銀色の道ならぬ青色の道が数百メートル続いています、ブルーシートの上に足を踏み入れますとすぐに放射線計の数値が上がり始めました、でもGGIはダークダックスが歌っていた「銀色の道」の歌詞を思いだして、勇気をふりしぼって進みました
ひとりひとり はるかな道は
つらいだろうが 頑張ろう
苦しい坂も 止まればさがる
続く続く 明日も続く
青色の はるかな道
GGIが測定しました空間線量と称される放射線量の具体的な数値は、これもフィクションでありますがここには記しません
ただ申し上げられることは年間の被ばく線量に換算して、通常の4倍以上の値、すなわち4ミリシーベルト以上に達していた地点も存在していました、すなわち、周囲の汚染されていない地域に比べて明らかに高い、異常な値であることが確認されました、ブルーシートで何重にも覆われていますので汚染木材チップから出ている放射線の強度は弱められているものと思われます、シートを剥がして測定すればこの何倍もの数値に達するかもしれません
この程度の放射線量、福島の汚染地域では珍しいことではないでしょうけれども、いざ現場を歩いてみますと、決して気持ちのよいものではありませぬ
無事孤独なミッションを終えてゲートに戻ってきましたら、ミッションをさぼった三人のエージェントたちは談笑にふけりたおしておりました、腹が立ちましたので言ってやりました
「諸君、放射線は明らかに異常に高い値である、しかしながら、県はこんなもの異常値と言えるほどのものでないと、動きは極めて鈍い、市の対応もエエ加極まっておる、したがってわが湖国は、わが麗しの琵琶湖が放射能で汚染されることを懸念するとして《卒原発》とやらを掲げる人物が知事ではあるけれども、このままであの汚染木材チップは将来長きにわたり湖がすぐ近くにある河口河川敷に放置されたままになる懸念が極めて大である」
「そのうえ、この事態を放置すれば、全国で似たような事態が生じ、人知れずあちこちに汚染地帯が出現することになろう、いやすでにそのような事態が進行中であるかもしれない、まことに憂慮すべき事態である、したがって99号は、本日のミッションを私のみに押し付けてサボリたおしていた三人のエージェントにニャーニャの代理人として命令する、あの汚染木材チップを県に早期に全量撤去させる方法を考え実行に移せ、分かったか!」
よろしければ写真をクリックしてご覧ください。施錠されているゲートの向こうに、ブルーシートに覆われた放射能汚染木材チップの道が数百メートルつづいています
今夜の日記をお読みになって、これはフィクションと称しているけれども、ほんとはフィクションでないであろうと疑問をお感じの方もおられるかもしれませぬが、GGIは人々の自由な思考に基づく民主主義を信じるものでありますから、どのようにお考えなろうともご自由であります
グッドナイト・グッドラック!