一昨日の日記に太平洋戦争に際しての宣戦布告、すなわち開戦の詔書のことを書きましたが、書き終わってから池澤夏樹という作家が12月2日の朝日新聞に寄稿した記事のことを思いだしました(記事は以下のサイトを参照)
http://digital.asahi.com/articles/DA3S11486661.html?iref=comkiji_txt_end_s_kjid_DA3S11486661
この記事で池澤氏は、以前にあるエッセーで「桃太郎侵略者説」のようなものを書いたところ、某紙で某氏に批判されてしまっとことについて、自らの見解を示していました
この記事のなかで面白かったというか、知らなかったなあ、これはちょっと驚きだなあというのは、氏が「桃太郎侵略者説は自分のオリジナルだと思っていたところ実は残念ながらそうでなかった、福沢諭吉が同じ趣旨の一文をすでに書いていた」という池澤氏の説明でありました
池澤氏の桃太郎侵略者説はおおざっぱに申し上げれば、何の罪もない鬼を傭兵を引き連れて攻めたてて、鬼を殺して鬼の宝であってものを勝手に戦利品として持ち帰ったのだから桃太郎はまさに侵略者であるいうものです
福沢諭吉の桃太郎に関する一文は以下のとおりです、この一文はウィキペディアにも記されています
「もゝたろふが、おにがしまにゆきしは、たからをとりにゆくといへり。けしからぬことならずや。たからは、おにのだいじにして、しまいおきしものにて、たからのぬしはおになり。ぬしあるたからを、わけもなく、とりにゆくとは、もゝたろふは、ぬすびとゝもいふべき、わるものなり。もしまたそのおにが、いつたいわろきものにて、よのなかのさまたげをなせしことあらば、もゝたろふのゆうきにて、これをこらしむるは、はなはだよきことなれども、たからをとりてうちにかへり、おぢいさんとおばゝさんにあげたとは、たゞよくのためのしごとにて、ひれつせんばんなり。」
わたしはゆきちさんのおっしゃるとおりだとおもいます、でもなかなかのいちぶんをあらわしたゆきちさん、のちになってダツアニュウオウなんていうことをいいだしたのはむじゅんしているようであり、とてもよくないことです、そのおかげで、けっきょく、わがにほんは桃太郎きどりでさきのたいせんをはじめてしまったからです、あのかいせんのしょうしょはわがていこくが桃太郎きどりであったことをにょじつにしょうめいしているとわしはおもいます
今夜の写真は太平洋戦争開戦直前の帝国陸軍の桃太郎たち、すなわち司令官たちが勢ぞろいした記念写真です、陸軍大臣官邸で1941年11月10日に撮られたものです(「日本の戦歴」、毎日新聞、昭和42年刊より)
グッドナイト・グッドラック!