UGUG・GGIのかしこばか日記 

びわ湖畔を彷徨する独居性誇大妄想性イチャモン性前期高齢者の独白

別々の記事をあわせ読んでみると・・・・

2016-04-29 01:59:40 | 日記

新聞の紙面にはいろいろなニュースが掲載されていますが、編集者は一つの紙面でどのニュースを紙面のどの位置にどのくらいの大きさで載せるのかについて、つまり紙面のレイアウトについては、いわゆる「ニュースバリュー」を考えながら日々いろいろな工夫をこらしているのだと思われます。

GGIは長年朝日新聞を惰性で購読しておりますが、朝日の夕刊は娯楽的な記事が大半でニュースの報道は貧弱です。そのためあまり読むところはないのですが、先日426日の夕刊、そのニュース面を眺めていて、どの記事を紙面のどの位置に乗せるか、工夫が凝らされていることに気づき、GGIは若干感心してしまいました。

今日の写真はこの夕刊の紙面を撮ったものです。よろしければクリックしてご覧くださいませ。

この紙面のトップニュースは「豪潜水艦 日本受注逃す:仏に決定 12隻分4.3兆円」と題された記事です。そしてこのニュースの左側には「特定秘密 指定413件、閣議決定:15年末時点の累計」と題された記事、またトップ記事の左下には「海自護衛艦《いせ》、フィリピンに寄港」と題された写真入りの記事が掲載されています。

潜水艦の受注云々に関する記事、その内容はオーストラリアの総額約43千億円にも達する次期潜水艦12隻の受注競争でフランスの政府系軍事企業が受注に成功、日本はドイツとともに受注を逃したというニュースです。

安倍政権以前であれば考えられなかったニュースです。というのはそれまでは「武器輸出三原則」なるものにより原則として武器および武器製造技術、武器への転用可能な物品の輸出が禁じられていたからです。しかし、アベ政権になってから、この原則を捨て去り、武器輸出を解禁する「防衛装備移転三原則」なるものが閣議決定されために、武器輸出が許されることになってしまいました。その結果日本は初の大規模な武器輸出を目指したが失敗に終わったと言うニュースです。

この記事の最後になかなか注目すべきことが書かれておりました。すなわち

《豪関係筋によると、独仏関係者は豪政府との交渉で、中国の軍事化で緊迫する南シナ海情勢から「アジア太平洋地域の安保問題とは地理的に無関係の欧州から選ぶべきだ」と言及。(豪)政府内には「日本を選べば中国との関係が悪化する」と、豪州に最大相手国である中国への配慮を求める声もあったという》。

この一文、受注を目指した独仏のが我田引水を思わせるともいえるのですが、GGIの考えでは、当たらすといえども遠からず、日本から潜水艦を買うことにしたならば南シナ海問題を中心とした日中関係に更なる緊張をもたらすことになってであろう、このため日本が自注できなかったことはまことに幸いであったというべきであるというふうにも解釈できるのではないかと思います。

この記事の左下にある写真入りの記事は、海上自衛隊の大型護衛艦「いせ」が4月26日にフィリピン北部のスーピック港に初めて寄港したというニュースです。記事には「この港は冷戦期に米海軍の基地があり、現在は対中国を念頭に、比軍が南シナ海の防衛拠点として再整備を進めている。海自は今月3日に潜水艦を同港に寄港させたばかり。一連の連携強化を印象付けた」とあります。この自衛艦、護衛艦と称されていますが、実態はヘリ空母です。

この一文、なかなか婉曲な表現をしていますが、「連携強化を印象付けた」ということが具体的に意味しているのでせうか。「連携強化」というのは、南シナ海での実効支配を目指している中国に対して、米軍の了解の下にフィリピンと連携、海上自衛隊が南シナ海における「日本軍」としての「プレゼンス」示した、印象づけたということでありませう。

「(軍の)プレゼンス」という言葉は「軍隊がある地域へ駐留・進出して軍事的に影響力をもつ存在であること」を意図的に示すことを意味していますから、このたびの自衛艦のフィリピンへの寄港は、まさに我が軍の南シナ海における「プレゼンス」を示す行為に他なりません。

これもアベ政権以前であったならば考えられなかったニュースです。以前であれば親善訪問というかたりで外国の港に寄港することはあったでしょうけれど、このような露骨な形で「プレゼンス」を示すことはありませんでした。いわゆる「専守防衛」という日本の防衛方針とは相いれないためです。

先にこの軍港に寄港した海自の潜水艦も装備しだいで専守防衛を逸脱する兵器となり得るものであり、このたびの寄港した自衛艦も、大型護衛艦とは称しているものの実際にはヘリ空母です。写真にも搭載されているヘリが何機も写っていますが、 攻撃型のヘリを搭載すれば即座に専守防衛どころが相手を攻撃することが可能な兵器に転じてしまいます。

アベ君は今や「専守防衛」なんか邪魔だとばかりにかなぐり捨て、念願の集団的自衛権を先取りして、米軍との連携の下に「わが軍」の東アジアにおける「プレセンス」を高めようとしているのだということが、このニュースからうかがわれます。

3番目の記事は特定秘密保護法に関するニュースです。特定秘密保護法は2013年12月に施行された法律ですから、当然のことながらアベ政権以前には考えられなかったニュースです。

内閣が4月26日に、この法律の運用状況について、年1回義務づけられている国会への報告内容を閣議決定したが、衆院の「情報監視審査会」が求めていた特定秘密のより具体的な件名さえ公表されなかったとされています。また同審査会が特定秘密の件名「周辺有事に関する外国政府との協議内容」の「外国政府」を明らかにするよう求めたが政府側は拒んだことが報告書に記されているとされています。

これらの3つの記事、それぞれ他の記事とは直接的な関係はない記事ではありますが、よく考えればいずれの記事もアベ政権発足以後の安全保障問題に関連した記事であり、その意味で互いに関連性を有している記事であるということができます。

これらの3つの記事がバラバラの位置に掲載されていましたら、GGIは互いの記事の関連性にすぐには気づかなかったかもしれません。この意味から、互いの記事に関連性があることを意識して紙面における各記事の位置について、紙面のレイアウトについて気を配った編集者の努力と配慮に感謝の意を表したいと思う次第であります。

このようにこれらの3つの記事を合わせ読みますと、政権の座について以来、りアベ君がいろいろ安全保障問題についてあれこれ手早くいじくりまわしたために、いまでは日本はすいぶんキナ臭い存在になってしまったなあと、GGIは考え込んでしまいました。考え込んで、そのあとどうするんだと問われても困りるのでありますが・・・まあ、認識を新たにしたというこであります・・・・

グッドナイト・グッドラック!

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